死者24万人も「アメリカ」が迎える過酷な2週間 トランプ大統領が会見で語った厳しい見通し
「われわれが実施してきた15日間の感染抑制措置は明らかに効果を上げている」としながらも、こう付け加えた。「われわれは今後数日から1週間ほど、このまま様子を見続けていくことになる」。
新型コロナウイルスの脅威を何週間も軽視し続けた挙句、社会的距離措置により4月中旬には規模が縮小するだろうとの最近の発言を撤回したトランプ大統領は、公衆衛生措置がアメリカの死者数を劇的に抑え得るとの見積もりで悦に入った。
「もしわれわれが何もしなければ、そのままの生活を続けていたならば、(2億2000万人もの人々は)亡くなっていただろう」とトランプ大統領は述べた。「皆さんは飛行機のなかで、ホテルのロビーで、至るところで、人々が亡くなるのを目にしたことだろう」。それに比べれば、10万人という見込み死者数は「非常に低い数字だ」と述べた。
「感染は最小限で収まる」と主張した結果
仮に社会的距離措置を、アメリカで初めて感染者が確認されてから2カ月近くが経とうとしていた3月中旬ではなく、それより何週間か早く要請していたなら、現在の予測死者数にどのような違いが生じえたかを質問され、自分は断固たる措置をとったとトランプ氏は主張した。
「われわれはよくやったと思う」と述べ、最初に中国からの便、後にヨーロッパからの便を規制するなど、海外からの航空便の多くを禁止したことを指摘した。
トランプ大統領は2月2日に中国からの航空機による入国の多くを禁止したが、アメリカ国民などかなりの例外もあった。3月12日にはヨーロッパからの渡航も禁止した。
バークス氏とフォーシ氏は、早期の措置で大きな違いが生じたかどうかについては、大量の抗体検査結果が入手できるまでわからないと述べた。それが入手できれば、社会隔離措置が広範囲に実施される前の2月や3月初旬に何名のアメリカ人が感染していたかがわかる。「抗体検査結果が出るまでは、その質問に答えるのは不可能だ」とバークス氏は述べた。
感染は最小限の影響で収まるだろうと何週間も繰り返し国民に断言してきたことについて質問されると、トランプ大統領は前と同じく、自分は国民を安心させようとしたのだと主張した。「私はポジティブでありたい。ネガティブにはなりたくない」と言った。「私はこの国の人々に希望を与えたいのだ」。
「われわれはおそらくこの国がこれまで直面したなかの最悪を乗り越えようとしている」とトランプ大統領は続けた。「これにより、国家として戦争で失ったよりも多くを失う可能性があるのだ」。
(C)2020 The New York Times News Services
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