死者24万人も「アメリカ」が迎える過酷な2週間

トランプ大統領が会見で語った厳しい見通し

アメリカではニューヨークを中心に感染者が爆発的に増え続けている(写真:Victor J. Blue/The New York Times)

アメリカ政府の新型コロナウイルスの専門家チームは3月31日、アメリカ国民の行動を著しく制限する社会的距離(ソーシャルディスタンス)措置を行っていても、今後2週間で感染による死者が少なくとも10万〜24万人に上るという予測を発表した。

専門家チームの1人でアメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長と、政府のコロナウイルス調整官を務めるデボラ・バークス氏が31日にホワイトハウスで開かれた記者会見で発表した予測は非常に厳しいものだった。同時に会見したドナルド・トランプ大統領は、できる手段をすべて講じて死者数を減らすことに努めると述べた。

極めて過酷な2週間となる

トランプ大統領は会見で、「今後非常に過酷な、極めて過酷な2週間となるだろう」が、アメリカ国民にはじきに「トンネルを抜けた先に何らかの光が見えてくるだろう」と述べた。

「すべてのアメリカ国民はこの先の困難な日々に備えてもらいたい。われわれは非常に厳しい2、3週間を乗り越えていくことになる」とトランプ大統領は述べ、前言の「2週間」を「3週間」へと引き上げた。

トランプ大統領は、この問題についておそらくこれまでで最も重苦しい響きを込め、ウイルスは「われわれがこれまでに直面した最大の国家的試練」であるとし、感染者数を最小限に抑えるためには「全国民の多大なる精神力、愛、献身」が不可欠であると話した。

「率直に言って、これは生死に関わる問題だ」とし、この先さらに1カ月の社会的距離戦略を正式要請し、このパンデミックがアメリカに及ぼす影響について厳しい評価を明らかにした。

ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策顧問を務めるデボラ・L・バークス氏は、国民に対して次のガイドラインを要請した。10名を超えて集まらないこと、不必要な移動をしないこと、そしてレストランやバーに行かないこと。「特効薬はない。有効なワクチンも。あるのは行動のみだ」(バークス氏)。

国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・フォーシ所長は、全米で社会的距離措置をとることが感染拡大の速度を緩めるとしながらも、アメリカの死者数は今後も増え続けるだろうと明言した。

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