アコーディアがぶち上げた「究極の焦土作戦」 ゴルフ場を切り売り、筆頭株主レノから自己株買い

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ただ、1000億円近い年商が500億円前後にほぼ半減し、営業利益も対売上高比率では改善するにしても、実額では減益を免れそうにない。さらに、アコーディア側は、現状で90%以上をメドとしている配当性向(当期純利益に対する配当の割合)を、アセットライト化後は、特別損益などを除いた「みなし当期純利益」の45%に引き下げる方針を表明している。

PGM社長「もうアコーディアを買う気はない」

アコーディアのアセットライト戦略について、かつて同社の買収を試みたPGMホールディングス側はどうみているのか。

PGMの神田有宏社長は「ゴルフ場資産を切り離して残った会社に、グロース(成長)があるのか。自己株買い付けにしても、余剰資金ではなく身を切り崩してやるような例は見たことがない。究極の焦土作戦ではないか」と評価する。

アコーディアが今回のスキームで自己株式公開買い付けを450億円規模で行うと、発行済み株式数は3分の2まで圧縮される。一方、大和証券グループに割り当てた新株予約権がすべて行使されると、同グループの持つ議決権割合が16.75%になり、自己株式買い付けに応募するであろうレノグループを抜いて筆頭株主に浮上する。焦土化が進むことに加え、安定大株主が登場することもあるためか、「PGMはもうアコーディアを買う気はない」と神田社長は断言する。

今後、アコーディアの戦略に波乱があるとすれば、6月下旬の株主総会だ。そこで今回の一連の施策が承認されるかどうかが焦点になる。レノ側は、同グループ以外の一般株主のうち、議決権の過半数に当たる株主の賛同が得られることを条件として、一連の施策に対する会社提案への賛同を承諾しているという。問題は、機関投資家をはじめとする一般株主が、株主総会で会社側提案に対して賛成票を投ずるかどうかが読みにくいことだ。

その大きな判断材料になるのが、ゴルフ場資産切り離し後のアコーディアの業績についての中期経営計画になるだろう。28日の発表時点では、アコーディア側は収益構造のイメージについては示したものの、売上高や営業利益、1株当たり純利益や配当の実額のメドなどの発表は先送りとした。

2014年3月期の決算発表が行われる5月上旬には、アセットライト戦略が通期化する16年3月期以降も含めたBSやPL(損益計算書)の会社側目標値が示されるものとみられる。それまでは、アコーディアの株価は自己株式買い付け価格の1400円を意識しながらも、軟調な展開が続く可能性がありそうだ。

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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