中国「コロナ無症状感染者」何とも不穏な実態 「感染者ゼロ」達成するため隠蔽工作も?

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他の多くの国々と異なり、中国の無症状感染者は、症状が出た際に初めて感染者だと訂正される。これは世界保健機関(WHO)の定義とも異なる。WHOの暫定ガイダンスには、「臨床症状の有無にかかわらず、検査で新型コロナウイルスへの感染が確認されれば感染者とする」と書かれている。

感染状況の公表は国際基準に沿って行うべきだ。無症状感染者を感染者数に含めるか、単独の項目として公表すれば、中国が国際社会と協力する上で必ず役に立つ。また、「感染者数ゼロ」の目標を達成するための隠蔽行為を撲滅することにもつながる。

例えば今回、河南省平頂山市が公表した無症状感染者2人は、3月25日の核酸検査(訳注:PCR検査など)で陽性反応を示したことが分かっている。広く出回っている調査報告書によると、そのうち1人は診断前に「ちょっと風邪をひいた」と話していた。

風邪は新型コロナウイルスの感染と関係があるのか。無症状感染者という診断はどのように下されたのか。”隠蔽工作”はあったのか――。人々は大いに疑っている。統計データを明るみに出し、一般大衆の監視下に置けば、感染再発の恐れから生じるストレスを和らげられるはずだ。

積極的な開示は”恥さらし”ではない

3月22日、李克強首相は新型コロナウイルス肺炎対応の指導グループ会議で、無症状感染者の予防と治療を大いに重視する必要があると明確に示した。

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翌3月23日、李克強はさらに、「現在、中国の大半の地域で感染者数ゼロの報告が数日続いている。だが、感染の統計データは速やかかつ偽りがなく正確でなければならず、感染者数ゼロを報告するための隠蔽や報告漏れは決してあってはならない」と述べている。

積極的な情報開示は”恥さらし”ではなく、感染拡大をコントロールするための科学的な方策である。当面の急務は、無症状感染者のデータを一刻も早く公表し、首相が求める実事求是(訳注:真実を追求すること)を徹底して社会の関心に応えることだ。

(財新記者:劉登輝)
※敬称略。原文は現地時間3月29日20:32配信
 

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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