政府が推奨する「十分な睡眠」とは何時間なのか 新型コロナ対策でも睡眠はしっかりとりたい

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またカーネギーメロン大学が中心になって行った2015年の研究でも同様に、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間の人よりも圧倒的に感染率が高いという結果が出ています。

ちなみに、そもそも私たちは常時、何時間くらい寝ればいいのでしょうか? アメリカ国立睡眠財団によると、心身ともにずっと健康でいるために必要な睡眠時間は、26~64歳で「7~9時間」です。

「ショートスリーパー」の定義とは

これは世界中の研究者の論文の中からとくに信頼できるものだけを集めて解析したものなので、かなり信頼できる数字です。ちなみに「寒い地域では、より長い睡眠時間が必要」「暑い地域の人の睡眠時間は短め」など地域差はありますが、国籍や人種で必要な睡眠時間に違いは出ないというのが睡眠業界の定説ということも言い添えておきます。

ちなみに、同財団が定めるショートスリーパー(短時間睡眠でも、心身ともに健康でい続けられる人)の睡眠時間はどれくらいでしょうか。なんと「6時間未満」の人をショートスリーパーと定義づけているのです。

2018年の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によれば、平均睡眠時間が6時間未満の成人が約4割、そのうち40~50代は約5割にも上っています。ということは、日本人の成人の約4割、40~50代の半数はショートスリーパーということなのでしょうか。

普段少ない睡眠時間で暮らしている人は、「もしかして、自分もショートスリーパーなのかも」と期待してしまいますよね。しかし残念ながら、ショートスリーパーはほぼ遺伝です。両親、祖父母、叔父、叔母など親戚にショートスリーパーがいない場合、自分はほぼショートスリーパーではないと思って間違いがありません。

そして私が最も信頼できると思うデータでは、ショートスリーパーは人口の0.5%(200人に1人)程度です。このデータは、2004年に睡眠評価研究機構代表の白川修一郎氏らがインターネットで全国16~75歳の男女約2万5000人に調査したものです。

アメリカ睡眠医学会の発表では、ショートスリーパーは男性で3.6%、女性で4.3%となっています。ただしここには、睡眠障害など「病気によって長年眠れない人」も含まれている可能性もあります。一方、先の白川氏らによる調査は「病気で眠れない」事情を排除しているので、より正確なのではないかと思います。

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