政府が推奨する「十分な睡眠」とは何時間なのか 新型コロナ対策でも睡眠はしっかりとりたい

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ということで、日本人のほとんどはショートスリーパーではありません。それにもかかわらず、日本人の成人の約4割が、ショートスリーパーと同等しか睡眠を取れていないのは少し異常です。6時間未満の睡眠時間では、普通の人の場合、心身の回復は期待できないですし、ましてや未曾有のウイルスとはとても戦えないでしょう。

アメリカ国立睡眠財団も7~9時間がオススメといっているので、結論としては、6時間未満はご法度、7~9時間寝るのが最低限守るべきボーダーラインではないでしょうか。

睡眠負債がたまっている人は「返済」を

普段は忙しい皆さんも、新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務の推奨、出張、残業の自粛がされている今ならば「7~9時間寝ること」もかないやすいかもしれません。そして何より自分やまわりの大切な人の命がかかっているのですから、今回ばかりは「無理、無理!」などと言わず、ぜひ確保してください。

『最強の睡眠 世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

もちろん、普段から睡眠負債がたまっている人は、7~9時間といわず、寝られるだけ寝ていいと思います。この際に睡眠負債まで返済できたら一石二鳥ですね。ちなみに、私は今月に入ってから毎日どんなに短い日でも7時間、ほとんどの日は、8~9時間眠るようにしています。

また、首相官邸のホームページには「空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50~60%)を保ちます」とも書いてあります。

これはおそらく、1961年に科学者のG.J.ハーパー氏が発表した「風邪ウイルスが死滅しやすい温度と湿度」をテーマにした論文を基にしているのではないかと思います。

仮にこの論文を基にしているとすると、首相官邸のホームページには書いてありませんが、「温度は20度以上」を死守してください。G.J.ハーパー氏は、「温度20度以上かつ湿度50~60%」が、いちばん風邪ウイルスが生存しにくいと言っているからです。実際に温度が20度を切ると、どんどん死滅率は下がります。

私は風邪予防として以前から、寝室はこの温度湿度に設定していましたが、新型コロナウイルスが流行しだしてからは、オフィスも同様の環境になるよう努めています。

西川 ユカコ 昭和西川副社長、睡眠サービスコンソーシアム理事

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にしかわ ゆかこ / Yukako Nishikawa

睡眠サービスコンソーシアム理事、睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員、セロトニントレーナー。学習院大学卒業後、「ヴァンテーヌ」「25ans」「婦人画報」の編集者としてハースト婦人画報社に10年間勤務。現在は家業である昭和西川の代表取締役副社長を務め、また睡眠研究家として「ミス日本」ファイナリスト勉強会や「NHK文化センター」青山教室などで睡眠講義を行う。科学的データを参考にしながら、日中にパフォーマンスUPするための快眠法を日々研究中で、2020年4月にその全メソッドを公開する著書『最強の睡眠』を上梓。同年3月より、「睡眠サービスコンソーシアム」の理事も務める。

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