日経平均が年末まで2万円超になると読む理由 下値リスクが残る時にどんな投資をすべきか

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このように、日銀が買った日は上がっても300円幅強で、むしろ900円近く下落したことがある。逆に日銀が買わなかったが、1000円以上日経平均が上昇した日が2日もある。どうも「日銀が買って株価を押し上げているだけだ」というのは、的を射ていないと言えるだろう。

おそらく、短期的な売買は別として、基調としては、内外の長期投資家が企業実態と比べて安くなり過ぎた現物株をじっくりと分析し、ゆっくり買っているのではないだろうか。

引き続き「現物でコツコツ買う」ことを勧める

述べてきたように、日本株は総じて「底値圏」にあると考える。今は現物の株式や株式ファンドを、現金でコツコツ買っていく局面だろう。とは言っても、最安値を若干割り込むリスクは残っていると想定しながら、買うべきだ。また、今後も株価指数が大きく上下に荒れる展開が続くと懸念され、信用取引やレバレッジをかけたCFD取引などは、勧めない。

これまでも当コラムでは「短期的な株価予想の数値にこだわり、それに賭けるのは危険だ」と述べてきた。その一方で、当コラムの最後の「今週の株価の予想レンジ」の数字だけしか読まない読者も多いと聞く。

筆者として「短期的に賭けるべきではない」と述べながら、目先の予想数値を掲げるのは、自己矛盾だと以前から考えていた。また重要なのは予想数値ではなく、その背景となる要因分析だとも考える。したがって、今回から、短期的な予想レンジは書かないことにするのでご了承いただきたい。

中長期で見れば株価は底値圏にあり、しばらく底固めをした後、上昇基調に向かうと予想している。今年末までには、日経平均は2万円を大きく超えていくだろう。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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