「NHKプラス」は全世帯受信料徴収の布石なのか 4月1日からネット同時配信が本格スタート

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テレビを所有し、現在受信料を支払っている人々の中にも、「なぜ見たい番組がほとんどないのにお金を払わなければいけないのか」とストレスを抱える人が多く、ネット上には、NHKから国民を守る党の「NHK放送のスクランブル化」に同調する声が少なくありません。

NHKの前田会長は5日の会見で、「実際にNHKプラスをご利用いただければ、受信料の価値をより実感していただけるものと確信しています」と自信を見せていました。このコメントから「いかにNHKは受信料の妥当性を訴えたいか」という思いが伝わってきますが、ネットを中心に生活している人々からの支持は得られないでしょう。

TVerとの関係は微妙です(東洋経済オンライン編集部撮影)

なかでもデジタルネイティブの若年層は、「見たいときに、見たいものを、見たい場所で見る」のが当たり前の世代。自らの意志で好きなコンテンツを選んで楽しんでいる人々にとって、NHKもNHKプラスも公共放送として特別扱いすべきものではなく、数ある選択肢の1つにすぎないのです。

ネット上には無料で見られるコンテンツが多く、民放各局の番組もある程度TVerで見られることもあって、若年層の中に「見るか見ないか選ばせないでお金を取られるのならテレビを持たない」という選択になる人が増えているのは当然でしょう。民放各局にしてみれば、若年層はスポンサー受けがいい貴重な視聴者層だけに、「NHKの存在が重しのようになっている」というネガティブな一面があるのです。

「全世帯負担を含む検討」という衝撃

冒頭に挙げた「NHKプラスは全世帯から受信料徴収するための布石」という見方はどうなのでしょうか。

前提として挙げておかなければいけないのは、昨年5月に成立した「改正放送法」。これによってNHK地上波の番組をネット同時配信することが可能になりましたが、そこにネットユーザーの受信料徴収にかかわる項目はありませんでした。

もともとNHKの受信料は個人ではなくテレビを保有している世帯単位で徴収されていること、NHKプラスは受信契約者向けのサービスであること、昨年からNHKがそれを繰り返し強調していること。これらを踏まえると、現段階では受信契約者へのサービスという位置づけでしかなく、「少なくとも早期の段階で強引に事を進めることはない」と思われていました。

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