「NHKプラス」は全世帯受信料徴収の布石なのか

4月1日からネット同時配信が本格スタート

ともあれ、配信されている番組を見ると、画面右下に「NHKプラスでは、放送番組の同時配信と見逃し番組配信をご覧いただけます。利用登録は受信契約者本人に限ります。同一生計の方もご利用いただけます。登録の際、受信契約の状況を確認させていただきます」という文字が表示されていました。

さらにその下には、「メッセージを消してサービスをご利用になるにはこちら」と書かれ、ID登録をするための「ログイン・利用案内」のボタンを設置。ID登録をしなくても同時放送中の番組は視聴できますが、画面右下の文字で多少見づらいうえに、「追いかけ再生」「見逃し配信」という主要機能が使えません。ユーザーから見ると「これならワンセグと変わらない」という印象であり、ID登録を強く求めていることが推察されます。

ID登録には受信契約者の氏名と住所を入力するほか、さらに後日ハガキが届けられ、そこに書かれた確認コードを入力するという2度の認証作業が必須。ユーザーにとっては手間のかかることですが、これは不正利用を避けるとともに、「NHKプラスが受信契約者向けのサービスであることを強調したい」からでしょう。

少なくとも現段階では「全世帯からから受信料徴収するためのものではない」ということであり、だからと言って「今後はそこに舵を切っていく」という可能性がないとは言えないのです。

NHKプラスとTVerの微妙な関係

NHKプラスは、見たい番組を探すキーワード検索、日時から番組を探す配信カレンダー、カテゴリー別にまとめたプレイリスト、関連番組のピックアップなどの基本的な機能に加えて、番組や特定シーンをSNSでシェアできるなど、ID登録さえしてしまえばユーザビリティーはTVerと同等以上のレベルにあります。実際、18日に行われた定例会見で、現在75歳の前田晃伸会長が、「想定した以上に使い勝手はいい」「私みたいな老人が使っても普通に使える」とアピールしていました。

ただ、前田会長の言葉を素直には受け止められません。ユーザーの頭には、「じゃあ何で今までなかったの?」「なぜTVerと別なの?」という思いがあるからです。

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