「10年後に稼げない人」と稼げる人の決定的な差 AI、ロボット化でも生き残れる仕事の条件

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これからの仕事選びについての、渡邉氏の考え方は非常に具体的だ。「デジタル・ケンタウロス(『下半身が機械、上半身が人間』のイメージ。すなわち『AI+人間』のポテンシャル)」か、「職人プレミアム(技能集約的な職業のうち、『人間が行うことに積極的な付加価値が生じるもの』)」の分野で、手に職をつけることが大切だというのである。

現場において、この2つの分野で仕事をしている人は計34.2%にすぎないというが、特徴的なのは、中核的な業務においてAIに仕事を奪われる心配がないこと。それどころかAIをツールとして活用することで、より高い報酬と安定雇用を得られる可能性が高まるという。

(出所)『10年後に食える仕事 食えない仕事: AI、ロボット化で変わる職のカタチ』(東洋経済新報社)

ちなみに上記の図は、さまざまな職業の賃金推移見通しを示したものだ。まず左半分は、ソフトウェアや機械などのテクノロジーに代替され、人間の需要が減っていく領域。そのため、賃金水準の向上は見込めないということになる。

(外部配信先では図表やグラフを全部閲覧できない場合があるので、その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

明確に手に職がつく仕事を

だが、「AI・ブロックチェーン失業」エリアは、まだましなのだそうだ。資格保有者(税理士、教員、薬剤師など)が多く、もとから賃金が中流以上。しかも日本は既得権が異常に守られる社会であるため、急に変革されることはないからだ。

「ロボティクス失業」エリアは、現時点で最大規模の働き手を擁し、日本の中間層を形成している領域。国勢調査では「使用人として、店舗で商品の販売の仕事に従事するもの」と定義されており、具体的には販売員(販売店)、百貨店販売員、菓子販売人、呉服販売員、ガソリン給油人、コンビニ販売員、販売店レジスター係、カウンターパーソンなどが挙げられている。

これまでは中位の報酬水準で安定していたものの、既得権に守られない職業が多く、下落スピードは速い。賃金は「中位下降&失業」。

典型例は、いわゆるデパガと呼ばれてきた百貨店の販売店員(ロボティクス失業)が、EC化のあおりでリストラされていく。一方で、ECでニーズが増える配送センターのピッキングスタッフや宅配の配達員(手先ジョブ)が増える傾向が続く。ECに加え、セルフ化も進む。かつて人間が担当していたガソリン店も、セルフ給油が拡大し、今後は電気自動車の普及によって自宅で充電するようになるため、ガソリン給油所の店員は不要になっていく。スーパー等でも、レジ決済の自動化が進むに連れ、販売店員は削減されていく。(282ページより)

各方面においてこうした状況になっているからこそ、「明確に手に職がつく仕事」で経験を積むべきだということだ。

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