東大生が全力でオススメ「勉強になる漫画」3選 「歴史、科学、経済社会」こんなに深く学べる
漫画のいいところは、歴史や理系の勉強など、「身近ではないからとっつきにくい」事柄を、一気に身近に感じられるようになることです。まずはそんな漫画をご紹介しましょう。
漫画なら難しいことが一気に「身近」になる!
1つめは『レキアイ! 歴史と愛』(亀、講談社)です。
これは、教科書で学ぶ歴史上の偉人たちがどのように人を愛してきたのかについて描かれた漫画です。4コマ漫画形式で進み、とても手軽にいろいろな偉人のエピソードを知ることができます。
「愛」。
歴史を扱った漫画は数多く存在しますが、「愛」という切り口で偉人たちのことを斬っている作品はなかなか見かけません。そして「愛」で偉人たちのことを見ると、本当にいろんなことが学べるのです。
愛の中には、恋人との恋愛、家族との親子愛・兄弟愛、親愛に友愛など、いろいろな愛があります。どの偉人にも、その生涯のどこかには「愛」が絡んでいて、それを描いたのがこの漫画なのです。
例えば1つのエピソードとして、宗教改革の先導者であるマルティン・ルターという人物の恋愛について描かれています。
僕は歴史の本や教科書を読んでも、彼がどのような人物だったかはわかりませんでした。しかしこの本で描かれるマルティン・ルターの姿は、妻に非常に優しく子煩悩。人権の考え方がまだ確立していない中世の時代に、女性である妻を正しく評価していて、子どもには教育が必要であると捉えている。そんな、人間として尊敬できる姿がありました。
歴史の教科書で読んでしまえば、僕らは偉人たちのことを「自分とはまったく違う、すごい人」としか捉えられません。しかし、この漫画を読むと彼ら彼女らの日常生活・あたりまえの家族との交流や恋愛模様を見ることができ、それによってぐっと心理的な距離が縮まるのです。そして距離が縮まればこそ、歴史上の人物がどうしてあのとき、あのタイミングで、あのような行動を起こしたのかが理解できるのです。
その人の本質的な部分がいちばん色濃く表れているのが、「愛」だと言っても過言ではありません。彼ら彼女らの恋愛や親愛を思えばこそ、無機質な教科書の叙述が、鮮烈なメッセージになってくる。愛というテーマは、歴史上の偉人を深く知るいちばんいいテーマだと言えるのではないかと思います。そんなテーマを学べるという意味で、この漫画はおすすめです。
2作目は『薬屋のひとりごと』(日向夏 他、スクウェア・エニックス)です。これは中国を思わせる架空の帝国を舞台に発生する事件を、主人公の女の子が「薬屋」としての知識をもとにして解決していくという作品です。
この作品の面白いところは、少し聞いたことがあるような医学・生物学をはじめとする理系の知識が物語の謎を解くキーワードになっていることです。教科書で聞きかじったことがあるテーマが漫画の中で描かれており、知っていれば主人公と一緒に謎を解くことができるのです。
食物アレルギー、海鮮の毒、粉塵爆発など、テーマとしては理系の初歩のものが多く、勉強していれば主人公より早く謎が解けてしまうこともあります。
学校で習う知識は、日常生活ではなかなか使う機会がありません。僕も経験があるのですが、物理をやっても化学をやっても、「これ、将来なんの役に立つんだ?」と思ってしまいます。
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