東大生が全力でオススメ「勉強になる漫画」3選 「歴史、科学、経済社会」こんなに深く学べる
しかしこの漫画を読むと、「ああ、あの理系の知識はこういうところに応用できるのか」と考えることができる。そういう点で、この漫画は理系の勉強が楽しくなる1冊だと感じました。
実際、東大の理系の学生にもこの漫画のファンが一定数存在し、この漫画に書かれていることを発展させた内容を今は東大で学んでいる、なんて人もいました。そういった意味で、勉強意欲の湧く漫画だと言えるでしょう。大人から子どもまで楽しめるので、皆さんぜひお買い求めください。
フィクションは現実を「深く考える」きっかけになる
最後は『幼女戦記』(東條チカ 他、KADOKAWA)です。この漫画は、タイトルに似合わずめちゃくちゃ勉強になる本です。僕もライトでポップな内容を期待して読み始めたのですが、いい意味で予想を大きく裏切られました。
この漫画の主人公は『幼女戦記』のタイトルどおり幼女の姿をしています。もともとは会社員をやっていたのですが、電車にひかれる直前に異世界転生をして幼女の姿で魔法の世界に送り込まれ、魔法を使って戦う――今どきのライトノベルでよく聞く、どこにでもありそうな展開でスタートするのですが、話の進め方・設定の作り込み方が異常にガチなのです。
まず主人公はシカゴ学派的な経済学を信奉しているために、合理的な判断を下しまくります。そのうえで私たちの歴史ではドイツと符合する部分の多い国で、世界大戦に巻き込まれながらも賢明に戦っていきます。
この話は架空の世界の話なのですが、現実の戦争について深く考えるきっかけになります。なぜなら、世界大戦になったときに発生する数多くの事例や事件、過去のパラダイムの中でしか戦えない国と最新鋭の技術を持つ国の対比、戦争と経済・法律との関連性などが深く描かれているからです。
この漫画は、最近のライトノベルで流行のテーマの皮を被ってはいますが、それは本質ではありません。「もしも魔法があったら、そして経済的に合理的な判断を下す人間が世界大戦で戦ったらどうなるか?」という荒唐無稽なテーマを、緻密な設定の中で描き切っている傑作なのです。
そしてそれを知ると、実際の戦争について学ぶときの「見方」が変わります。その結果、現実の戦争について学ぶときの視点がより深くなるというわけです。
タイトルに合わず終始シリアスで、しかしだからこそ笑えてしまう。歴史が好きな人もそうでない人も楽しめる作品なので、皆さんぜひご覧ください。
ちなみに小説版もありますが、漫画版のクオリティーが非常に高く、専門用語や難しい概念をわかりやすくイラストで説明してくれているので、漫画で読むことをオススメします。
いかがでしょうか? 漫画というとなんとなく「勉強にならない」「読んでも時間の無駄」というイメージがありますが、やはりどんなものにも学ぶべきところは数多くあります。
今日ご紹介した3冊は多くの面で学ぶところがあるので、皆さんぜひ、読んでみてはいかがでしょうか?
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