自粛でどん底「飲食店」はいま何に困っているか 弁当の販売や宅配サービスで起死回生を図る

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一方で、前出の渡邊さんは「少なくとも4月までは影響はあるだろうし、先のことよりも、まず3月をサバイブできるかどうかだ」と繰り返す。

さらに渡邊さんは「もう少し先を見た場合、オリンピック特需はもう期待できないだろう」と話した。大使館から貸し切り利用の問い合わせも受けていたが、「そういうのも立ち消えになるだろう」と諦めムードだ。

先行きが見えないことに飲食店側は不安

宮崎の村岡さんは、「口蹄疫のときは終息宣言の基準が明確だったので、そこを目標に頑張れる面もあった。ただ今回は『とりあえず2週間の自粛、休校を』で始まって、2週間経ったら『あと1週間』という感じで、終息の基準が見えないままダラダラいきそうだ」と不安を口にする。口蹄疫は2010年8月末に終息宣言が出たが、持ちこたえられなかった老舗旅館や個人営業の有名店が夏に力尽きたという。

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村岡さんは「今回だって、始まったばかりだ。夏前に息切れした店がばたばたいくのではないかと心配している」と話す。比較的楽観的な消費者サイドに対し、経営者側の見方は厳しい。コロナショックを乗り越えるための、飲食店の試行錯誤の日々が続く。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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