「株は今こそ買い」と言う人の「根本的な間違い」

新型コロナ暴落で株は本当に安くなったのか

NYダウの2997ドル暴落に動揺するトレーダー。ここまで下落すれば「買い場」なのだろうか(写真:AP/アフロ)

3月16日のNYダウ2997ドル安を受けて、17日の日本の経済ニュースも暴落のニュース一色だった。

今回は日銀をはじめ、金融政策、そして財政政策と政策議論が中心だった。株価については諦めムード。「とにかく何でもすがりたい」、ということでは政策頼みだが、新型コロナウイルスそのものはもちろん、ウイルスへの不安もすぐになくすことができるわけではない。だから政策についても「何をやっても直接は・・・」という雰囲気だった。

「株は買い場」の根拠は正しいか?

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しかし、そうしたニュースの中に株価の水準に触れている解説者もいた。そのうちのひとつを紹介しよう。彼は「(2008年の)リーマンショック後からは常に強気ではあるが、この局面でも『株は買いだ』」、ということを主張していた。

その根拠はどこにあるのか。「今の株価は信じられないほど割安だ。暴落は合理的でない。経済理論的に考えてみよう」、などと言って解説を始めた。どんな説明だったのか。

株価はピークから約30%落ちている。コロナウイルスは永遠ではなく、一時的なショックだ。仮に、あり得ないが、最悪のケースとしてすべての上場企業の利益が今年度はゼロになったとしよう。次年度には元に戻るからPER(株価収益率)を考えると、株価は、理論的には今年の収益が失われた分、6%下がることになる。では残った24%の下落は何か。投資家の不安心理である。したがって、不安だけで下落分の80%は説明できる。理論的に冷静に考えれば、こんな買い場はない。

というようなロジック(論理)だった。これは正しいのか?

120%間違いだ。

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