コロナ危機で「中国経済」はどこへ向かうのか

日本企業に迫られる中国戦略の「再検討」

他方、中国からの輸出も打撃を受け、2020年1~2月の中国の輸出額は前年同期比17.2%減、2月単月には約600億ドル分減少した(中国税関総署)。現在、世界生産量1位の中国産工業製品が220種類以上に上るため、部品供給が寸断すると、世界の製造業の停滞も余儀なくされる。

また、中国国内の感染拡大はすでにピークアウトしたものの、現在はドミノ倒しのように感染が世界に拡大しており、世界経済への影響がどこまで広がるのか見通せない。中国における自動車部品、車載電子、電気機器などの生産が滞り、日本国内生産に支障が生じる反面、インバウンド需要の減少による地方経済への打撃、サービス業への広範な悪影響が見込まれており、日本国内消費を下押しするのは避けられない。

世界経済における中国の牽引力

日本経済の中国経済に対する依存度が拡大している中、日本国内では、中国経済に対する不安、日本経済への悪影響が心配されている。新型肺炎による経済ダメージがどこまで膨らむか予断を許さないが、世界経済において13兆ドルという経済規模をもつ中国の牽引力は依然大きい。

今回の新型肺炎の感染をめぐる日本からの支援に対し、多くの中国国民は日本に感謝し、中国政府も日本の対応を高く評価した。習近平主席の国賓訪日は延期となったが、日中関係の改善で両国企業間の協力への期待も高まっている。

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中国の1人当たりGDPは2019年に初めて1万ドルを突破。国民の生活に一層ゆとりが出る中、「モノ」の消費に限らず、高品質・サービスを求める「コト」の消費が増加しており、日本の製品やサービスに対する需要が拡大する環境が整ってきた。

一方、中国ではコストの上昇や競争の激化をはじめとする不安定要素も増加している。日本企業においては、事業の選択と集中を考慮しながら、中国企業と補完関係の構築を含む今後の中国戦略を再検討する必要がある。

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