楽天的なUIが強み? 法人向け領域にも進出
そんなマネーフォワードの強みはどこにあるのか。
「ユーザーに支持していただけている点として、主に2つあります。まずは利便性への徹底的なこだわり。銀行から現金を引き出したら、『財布』という項目にその金額が入って自動的に相殺されるなど、細かい利便性を追求しています。2点目がユーザーからいただいたフィードバックに、できるだけ早く対応して改善を実装すること。エンジニアは20人態勢で、改善要望からの実装の早さに、ユーザーは驚き、感動してくださることもあります」
それに加えて、金融機関出身者だからこそセキュリティへの意識が高く、万全のセキュリティ体制を敷いている。筆者としてはその点と、楽天的なUIが強みなのではないかと感じている。
楽天的なUIとは一般的には褒め言葉とは言えない。ごちゃごちゃしていてわかりにくいというのが正直なところだ。筆者はウェブ版もアプリも触ってみたが、少なくともシンプルで直感的にわかるUIではなかったと感じた。だが、楽天のようなサービスを中高齢者は使い慣れており、むしろマネーフォワードには親しみやすいと言えるかもしれない。一方で筆者のような20代(筆者は29歳)を中心とした若年層には、少し取っ付きにくいかもしれない。
個人向け資産管理・家計簿サービスとして出発したマネーフォワードだが、法人向けクラウド会計サービス「マネーフォワード for Business」を2013年11月にリリースしている。個人事業者向けに確定申告や青色申告、法人向けに法人会計や経営サポートといったサービスを提供する。
この分野においてはFinTech特集第2弾で取り上げる予定のfreeeが先行者となる市場だ。
「ユーザーアンケートの結果、法人向けの需要もあることがわかり、クラウド会計の領域に進出しました。市場はまだ黎明期なので、複数社で競い合いながら市場を成熟させていければと思います。事業計画上は、個人向け資産管理サービス事業と法人向けサービス事業の半々で、売り上げを立てることを見込んでいます」
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