三菱グループ「87万人組織」の知られざる正体

150年目の名門財閥は今も強く結びついている

その「潜在力」と「山積する課題」とは?(デザイン:熊谷 直美)

所属企業の数は4000社超、従業員数は87万0884人――。売上高は、全上場企業の7.7%にあたる69.3兆円で、保有資産は国の資産の6割を超える432.9兆円(金融機関を含む)にのぼる。

日本国内で超巨大な経済圏をもつ旧財閥・三菱グループが、今年で創業150年を迎える。三菱の歴史は、三井や住友など、近世から連綿と続いてきたほかの大手財閥系グループと比較すると浅いといえる。明治維新後、創業者の岩崎彌太郎がたった数隻の船を運航させる海運業社から始まった三菱は、創業家4代が経営トップとして舵取りを行い、戦前、戦中と急速に事業を多角化さることで会社を発展させてきた。その実力は、今も頭一つ抜けている。

『週刊東洋経済』3月16日発売号は「三菱150年目の最強財閥」を特集。中核27社のトップが集結する三菱金曜会の内幕、平成30年の時価総額で振り返る三菱内格差、株価で見る金曜会全トップの通信簿、三井・住友グループも加えた平均年収&役員報酬ランキング、報酬1億円以上の役員・計100人実名リスト、三菱エリートと出会える結婚相談所・ダイヤモンド・ファミリークラブの実態、早稲田をKOする慶応閥の出世力、銀行・商事OBの再就職先一覧など、幅広い事業分野に根を張る日本最大の企業グループの強さと、足もとで山積する課題を追った。

三菱グループには業界トップ企業も多い

商社、銀行、重工業、保険、電機、自動車、石油、素材・・・・・・。様々な業界に根を張る三菱各グループには、業界トップを張る企業も多い。売上高で単純比較すると、商社業界では三菱商事が売上高で16兆1037億円と、2位の伊藤忠商事の11兆6004億円を引き離す。銀行業界でも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が売上高にあたる経常収益で1位。産業機械、非鉄金属、化学などの分野でも三菱系が首位だ。

国内の時価総額ランキングをみると、50位以内に5社がランクイン。三菱UFJFGが8位(7.7兆円)、三菱商事が20位(4.6兆円)、東京海上ホールディングスが25位(4.5兆円)といった具合だ。

三菱グループの強さの源泉は、いったいどこにあるのか。早稲田大学ビジネススクールの教授、入山章栄氏は「三菱金曜会の存在が大きい。ピラミッド型のヒエラルキーがしっかりとある。三菱重工業、三菱商事、三菱UFJ銀行の『御三家』を中心に、うまく運営してきた」と指摘する。

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