就活「別名目で呼び選考する」が常態化している 6割の就活生が「だまし面接」を経験している

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今年は新型コロナウイルスの流行があり、3月に予定されていたリクナビ、マイナビなど大型合同説明会が中止になった。しかし、例年どおりに行われていたとしても、新型コロナウイルスとは関係なく、10年前、5年前に比べれば、参加学生数は減っていたはずだ。

大学の学内で開かれる合同説明会にも陰りが見える。大学の就職支援イベントで最大のものは3月頭の学内合同企業説明会だ。しかし、近年は学生が集まらないので、規模を縮小する大学もある。中には、3月の学内合同企業説明会を廃止した大学もある。

これまでの合説は見合いの場だった。企業からすれば広報・宣伝、学生からすれば業界研究・企業の絞り込み。ここから本格的な就活を始める学生も多かった。

しかし現在では、「採用広報解禁」の3月1日は、面接が合法化される時期のように受け止められている。そして「採用選考開始」の6月1日は、内定を学生に伝えるというセレモニーを行う日になっている。つまり、3月、6月の取り決めは形骸化し、選考は大幅に早期化している。

面接は「トーナメント戦」だ

就活にはさまざまなステップがあるが、企業と接点を持つのは、説明会参加、エントリーシート(ES)提出、そして面接だ。最も重要なのは、言うまでもなく面接だ。面接による審査によって採否が決まるからだ。

面接にもパターンがある。面接官と学生が1対1のこともあるし、複数の面接官が1人の学生に質問することもある。複数の学生を集めるグループ形式も多い。

質問内容も定型パターンがあるし、定型をはずそうとして「自分を動物に例えると何か」などの質問があるが、すでに陳腐化していると言っていい。

どのようなパターンの面接であっても、ほとんどの面接は複数回行われ、1次面接は2次面接の、2次面接は3次面接への関門。つまりトーナメント戦的にふるい落としていき、落ちたら次の関門には進めない。

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