貸会議室大手のティーケーピー(TKP)は3月6日、2020年2月期の連結業績予想を下方修正した。
営業利益は76億円(前期比77.4%増)から57億円(同34.5%増)へと縮小。さらに2020年1月に借り入れたシンジケートローンの手数料や減損損失も加わり、純利益に至っては28億円(同51.2%増)から一転、前期比57%減の8億円になるとした。2021年2月期の営業利益目標も、当初計画の96億円から32億円へ減益となる見通しだ。
貸会議室や宴会利用が急減
理由はひとえに新型コロナウイルスの蔓延だ。TKPの収益構造は、自社で展開する貸会議室と、2019年6月に買収した日本リージャスが展開する貸オフィスが柱となっている。今回はコロナウイルスによって、貸会議室や会議に伴う宴会利用が打撃を受けた。
TKPはこれまで、貸会議室の室料のほか、機材レンタルや仕出し弁当、宴会、ホテルへの宿泊といった、会議に伴う付帯サービスで収益を伸ばしてきた。近年は新築ビルや都心の大規模ビルへの出店を強化し、会議の運営支援や立食パーティーなどの付加価値を訴求。2019年末時点における、貸会議室事業の売り上げに占める室料の割合は50%を切った。
ところが、政府による外出自粛要請が痛手となり、貸会議室利用のキャンセルが続出。加えてビュッフェスタイルでの宴会の取りやめや、フランチャイズ方式で運営しているアパホテルの稼働率を維持するために宿泊単価を引き下げたことが追い打ちをかけた。
「必要なときに必要なだけ使える」ことが最大の強みだった貸会議室だが、新型コロナウイルスで不要不急と見なされた瞬間、一気に逆回転を始めた格好だ。
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