「日本のコロナ対策」間違えてはいけない戦い方 医療崩壊防止が第一、批判応酬しても仕方ない

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実際にも、日本集中治療医学会では、2月10日付で「新型コロナウイルスへのICU対応について」という会員向けの通達を出し、そのなかで「新型コロナウイルス感染症は2月1日に指定感染症に指定されました。このことによって1類感染症の規定が準用され、現在のところ感染症病床がある医療機関を優先として入院加療が行われています。しかし今後さらに感染が拡大すれば、感染症指定医療機関外のICUにおいても加療が必要となる場面も否定できません」と述べています。

さらに同学会では、3月9日付で「人工呼吸器および ECMO(対外式膜型人工肺)装置の取扱台数等に関する緊急調査」の結果を公表しています。「本データの引用は禁止」とされていることから、ここでは調査結果は記しませんが、「調査の目的」には以下のように記載されています。

――新型コロナウイルス肺炎患者の重症化が懸念されている。従前から新興感染症パンデミック時の医療機器配備不足も懸念されている。都道府県による感染症指定医療機関等における人工呼吸器の保有台数等の調査がされているようであるが、広範囲な状況把握が必要との判断に基づき、 (一社)日本呼吸療法医学会・(公社)日本臨床工学技士会において、人工呼吸器および ECMO 装置 の稼働台数等の調査を行うこととした――

原因と打ち手を考える

それでは次に、上記で指摘した問題箇所についての原因と打ち手を考えていきたいと思います。まずは「最大の問題箇所」として指摘した医療機関が、どうして「最大の問題箇所」として指摘されるのかの理由や原因について考えてみたいと思います。

そもそもコロナウイルスは疾病であることから、その疾病に対処するべき医療機関で感染が拡大すること自体が大きな問題であることは言うまでもないでしょう。それに加えて、これからさらに感染が拡大してくると、感染者や感染を懸念する人たちが医療機関に殺到すること、それによってさらに感染が拡大すること、そして当該医療機関において感染者が出ることで当該医療機関の通常業務が影響を受けること、さらには感染もさらに拡大することなどが予想されます。

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