それでは、これらに対する打ち手とはどのようなことになるでしょうか。打ち手としては
などが考えられるでしょう。
実際に中国・武漢やイランなどの事例を見ると、医療崩壊が起きていたことがうかがわれます。医療機関での感染拡大と医療崩壊を防いでいくことこそが、今の日本で最も求められていることだと考えられるのです。
建設的批判はつねに重要である一方で、政治的には与党と野党で批判し合うことではなく、あるいは一般的にもお互いに批判し合うことではなく、「敵はコロナウイルスである」という共通認識のもとに、共通の敵に対して、一致団結することではないかと思います。致命率は必ずしも高くないという指摘もされるコロナウイルスですが、今後感染者数そのものが増えていくとおのずと死亡者も増えかねません。
「敵はコロナウイルスである」
「敵はコロナウイルスである」という共通認識をもち、少しでも早期に敵に打ち勝っていくためにも、最後に、孫子の兵法の中でももっとも重要な箇所といわれる「兵は国の大事なり」の全文と現代語訳を、軍事研究の大家であり戦 史研究家でもある杉之尾宜生先生の『[現代語訳]孫子』(日本経済新聞出版社)から引用します。ビジネスや経営に即した現代語訳ではなく、あえて軍事研究家の現代語訳を引用するのは、コロナウイルスの感染が拡大しているなかで、私たちが敵であるコロナウイルスとの「戦い」ということの厳しさを再認識し、本当にみんなが一致団結する必要があると思うからなのです。
孫子曰く、兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。故に、之を経るに五事を以てし、之を校ぶるに七計を以てし、その情を索む。
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