コロナショック直撃「化粧品」に見える突破口 ライブ配信やSNSのコスメ販売で挽回目指す

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コーセーは1月31日に2020年3月期第3四半期(2019年4~12月)決算を発表。売上高2490億円(対前年比0.5%増)、営業利益は378億円(同18.2%減)だった。中国市場で高価格帯ブランドの「コスメデコルテ」が牽引したことなどから、アジア地域の売上高は対前年比27.9%増と好調であることも発表している。しかしコーセーの広報担当者によると、「1月から厳しい状況が見受けられ、2月も影響が出ている」という。

2月末時点では中国国内の店舗(直営以外含む)で2割の店舗が営業を停止しており、再開の時期は行政と連携して進めている。ただし店舗の再開数は徐々に増えていることに加え「店舗の営業停止による影響もあり、ECはこれまでの流れよりプラス傾向だ」とも説明する。

中国のECサイト上での販売は伸びている

中国の大手ECサイト「天猫(ティエンマオ)(Tモール)」「Tモール国際」「淘宝(タオバオ)網」を展開するアリババグループに現状を聞くと、全体の取引数は非公表ながら、各事例から化粧品業界にとって明るい話も浮かび上がる。

アリババの中国国内リテールビジネスは昨年12月時点で、月間のモバイルアクティブユーザー数が8億2400万人、年間アクティブユーザー数は7億1100万人に達し、中国でトップを走っている。またこれら3つのECサイトは各化粧品の販売先として有力な存在で、昨年3月には「2019年に化粧品1000ブランドの『Tモール』旗艦店を新規オープンする」といった目標を立てるなど、美容カテゴリーの拡充に注力していた。

そのような土壌を持つアリババのECでの取引をカテゴリーごとに見ると、スキンケアでは美容エッセンスの売上高は2020年3月期第3四半期で対前年比70%増となった。メイクアップでは、中国人が仕事を再開し始めた2月10〜17日の1週間で、人気ブランドの口紅の売り上げが前月同期(1月10〜17日)比で3〜7倍に増加した。

新作の売れ行きも好調で、仏ロレアル傘下の「ランコム」が2月10日に発売した「クラリフィック デュアル エッセンス ローション」は初日に約4万個を販売。同じくロレアル傘下で、韓国・スタイルナンダのコスメライン「3CE」の「スリムリップカラー」は11日に発売し、計11万本販売されたという。

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