ローンを組む人が見落とす家計の「バランス」 家計のバランスシートで丸裸になる家計状況
さらに言えば、不動産は資産価値のある商品です。ローンで購入した時点では負債が多く残っていますが、売却すれば収入を得ることができます。一般的に、建物の部分は時間の経過とともにだんだんと価値が減っていきますが、土地は買った時点よりも資産価値が高まるということもありえます。ですから、負債を抱えることになっても、今購入したほうがいいと判断する可能性は十分にありえます。
しかし、お金を借りて物を買う以上、利子というかたちで購入した物の価値以上にお金を払うことになります。返済期間が長くなればなるほど、余計に払う金額は大きくなります。
仮に、共働きの夫婦が5年後の住宅取得を目標にして、毎年100万円を住宅資金として貯めるとしましょう。家賃を払いながら貯金するのは大変ですが、毎月5万円の積立預金をして、ボーナス時には20万円をプラスして、5年で500万円を貯めたとします。
3000万円の物件を頭金500万円で購入すると、不足する2500万円は住宅ローンを利用することになります。借り入れるときの年齢にもよりますが、定年する前には完済しているのがベストなので、そのように返済計画を立てます。もちろん、毎月の返済額が生活を圧迫するようなら、もっと安い物件の購入を検討するか、購入時期を遅らせて頭金を増やすしかありません。
25年と35年返済で支払総額はこんなに違う!
2500万円の住宅ローンを年利2%で借りたとき(元利均等、固定金利方式で算出)、返済期間が25年の場合と35年の場合では、住宅ローン会社に支払う金額はどのくらい違うのでしょうか。試算では、25年返済で借りた場合、毎月の返済額は10万5964円、総返済額は3178万9034円ほどになります。
一方、35年返済の場合は、毎月の返済額は8万2816円に減る代わりに、総返済額は3478万2543円に増えます。その差はなんと約300万円にもなります。
毎月の返済額が少なくなるので一見35年返済が魅力的に思えますが、「いま住んでいる賃貸物件の家賃が10万円なので、毎月9万円少々の返済ならばなんとかなる」と思うなら30年返済にしたほうがいいですし、さらにもう少し頑張れるなら25年返済がベターといえます。
また、返済の途中で少しでも家計に余裕ができたら、繰り上げ返済したほうがいいでしょう。返済期間が短くなれば、それだけ利息として住宅ローン会社に支払うお金も少なくて済みます。
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