ローンを組む人が見落とす家計の「バランス」 家計のバランスシートで丸裸になる家計状況
奨学金や住宅ローンなど負債がいくつも重なると、家計の全体像が見えづらくなり、問題に気づくのが遅れるケースもあります。そこで、家計の健全性を評価するのに使えるツールをご紹介します。「家計のバランスシート」というのもので、コーポレートファイナンスでよく使用するバランスシート(貸借対照表)になぞらえて、家計の状態を表にしたものです。
バランスシートは、左側にすべての資産、右側にすべての負債と純資産を書き、「資産=負債+純資産」となります。バランスシートを書くことで、「すべての資産のうち、負債と純資産がどれくらいを占めているのか」がひと目でわかり、簡単に財政状態を把握できるのです。
住宅購入前のバランスシートは?
先ほどの例で、住宅ローンを借り入れる前の家計の状態を家計のバランスシートに起こしてみます。住宅購入前は預金や株式、乗用車といった資産が計900万円分あるのに対し、自動車ローンと奨学金返済で200万円の負債があり、純資産は700万円という家計状況だとします。
ここに住宅を購入すると、バランスシートはどのように変化するのでしょうか。3000万円の住宅(土地含む)を、積立預金から捻出した頭金500万円と残りをローンで購入した場合、次のようにバランスシートが大きく変化します。
このとき、不動産購入に伴って税や手数料などで150万円の現金支出があったとします。また、株式50万円を現金化して引っ越しや家具の買い替え費用に充てました。住宅購入直後、住宅を含めた資産は3200万円と大幅に増えますが、住宅ローン2500万円が追加されて負債は2700万円となり、純資産は500万円に減ります。
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