糖尿病患者に期待の新薬、1300万人の巨大潜在市場を狙う

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 ところが、こと糖尿病に関して、日本は「世界的な成功を決める最重要市場というのが常識」(外資系製薬会社関係者)だという。

 世界の糖尿病患者は2億4000万人(06年)。25年には3億8000万人に増加すると予測されている。中でも日本は、07年の患者数890万人(右表)に加え、糖尿病の可能性が否定できない“糖尿病予備軍”が1320万人と、まさに4人に1人は糖尿病と関連がある。

そのため、国内の糖尿病薬市場は現在の約2000億円から、7~8年後には3500億円程度の規模になるという試算もある。外資系製薬会社にとって、日本の糖尿病薬市場は非常に有望なのだ。

インスリン早期利用で「特異的」な遅れ

さらに、インスリン治療にも、海外発の変化が押し寄せようとしている。

米国と欧州の糖尿病学会が08年、世界中の医師に強い影響力を持つ2型糖尿病の血糖管理についての治療アルゴニズム(診療ガイドライン)を変更、「十分に検証された中心的治療法」として「基礎(持効型)インスリン」とメトホルミン、SU薬との併用が有効とした。つまり、インスリンの早期投与を可能にしたのだ(下図)。インスリンの早期投与は「極めて有効で、他の薬剤の効き目も向上させる」(清野院長)という。

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