まず、客観的な視点を有しているか否か。要は今の会社の基準や評価だけを知っている井の中の蛙にならずに、業界や労働市場を見る目を持っているか否か、です。
例えば特定の会社だけで通用する自分に満足せず、広く労働市場全般、つまり業界全般や他社でも通用するスキルや経験は何であり、その取得のために自分は何をするべきなのか、そういった視点のことを言います。
転職に成功するか否かはここで勝負が決まると言っても過言でないほど、この客観的な視点は非常に大切です。
とある会社で評価されていたから転職が成功するはずだ、または今の会社で評価されていないから転職などできるはずがない――などなど。
前者は「今の会社における評価」に満足してしまっており、業界全体の基準から見たらどうなのか、それは本当にすごいのか、といった視点が抜けてしまっていますし、後者も同様に、今の会社における評価が自分の労働者としての価値を決める唯一の基準だと思い込んでしまっているパターンです。
エリートコースを歩んできたかどうかは関係ない
以前面接官として候補者の方と面談したときに、いかに自分は現在の会社におけるエリートコースである2年程度の人事ローテーションを歩んできたかを非常に饒舌に語る方がいました。
ちなみにその方は誰もが聞いたことがある大企業の在職者の方でした。
その方に「なぜそのローテーションがエリートコースとされているのか」「昨今の業界の状況を考えたときに今後もその教育方針は正しいと思うのか」そして「その経験をどう今後の当社(転職候補先)での業務に生かせるのか」と聞いたところ、押し黙ってしまったことがありました。
その方にとっては、現在いる有名会社のエリートコースであるから、他社でも評価されるであろう、という前提に立っていたわけですが、こちらからすると業界が異なることもあり、あまり価値のない話であったりするわけです。
むしろ知りたいのは、転職者の方の職業観や人生プランであり、そのためにその方が何を考え、何を学んできて、現時点でどんな具体的付加価値を提供できますか、なのです。
他社さんの決めたエリートコースうんぬんはそこには関係ありませんし、評価の対象にもならないわけです。
「今、その場」「その会社」における自分しか知らない、または現在の会社における評価軸でしか自分を測る基準がないとどうしても客観的な視点がなくなりがちです。
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