資格を取ると貧乏になる?驚愕の資格地獄 弁護士、公認会計士が、まさかの貧乏まっしぐら

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そのため、短答式試験と論文式試験に合格したのに、監査法人に就職できず、実務経験が積めないために資格を取得できない「待機合格者」があふれ、その数は2010年で53.2%、2011年は46.1%にも達しています。

監査法人は、新卒の採用を抑える一方、2010~12年にかけては内部のリストラも敢行しました。特に、J-SOX法(日本版企業改革法)の施行による内部統制監査がらみの仕事の大量発注を見込んで採用した「2006年~08年入社組」の若手は「会計バブルの申し子」と言われ、リストラ対象に狙い撃ち。多くの若手が給料の半年分程度を退職金代わりに握らされ、監査法人を去る羽目になっています。

それで、彼らは、どこに行ったのか? 追跡したところ、①一般企業の経理・財務部門に転職、②中小監査法人に転職、③税理士法人に転職・開業――などが多いようです。

でも、その道もなかなかに厳しく、一般企業の経理・財務に転職した会計士の中には、会計士資格を抹消してしまう人が増えているそうです。

というのも、会計士の場合、独占業務が監査だけのため、企業に入ると、弁護士と違って「資格保持者」として重用されることが少ない。

「内部監査」を専業に行う部署を持つ大企業に転職できる可能性は低いし、入れたとしても異動はつきもの。営業や生産管理など会計とまったく関係ない部署に配属される場合も多いのだとか。

また、公認会計士資格を保持するための登録料(東京の場合、日本公認会計士協会本部会費として年間6万円、東京会会費として年間4万2000円、合計10万2000円を毎年支払う必要がある)を支払ってくれる会社はなかなかありません。そして自腹を切るには、この金額負担は重すぎる。だから、せっかくの資格を放棄してしまうのです。

公認会計士は税理士法の規定により、無試験で税理士登録できることから、最近では③の税理士に転職というパターンが急増しています。

その動きには、日本税理士会連合会が猛反発。資格付与制度自体を撤廃しようと画策しています。というのも、その税理士とて、今では決して「安定収入」を見込める仕事ではないのです。

※この記事の後編は、3月24日(月)に公開します。

佐藤 留美 ライター
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