「がん教育」が日本の子どもに与える重要な意味

授業を通じてがんを予習することが決まった

闘病する母と看病する女の子。写真はイメージ(写真:Fast&Slow / PIXTA)
日本人の2人に1人ががんになる時代。しかし、5年相対生存率は6割を超えています。がんは不治の病から共生する病に変わりつつある中、がんの予習を始めるためにすべての小学校で「がん授業」が始まります。国際医療福祉大学病院内科学教授の一石英一郎氏の著書『親子で考える「がん」予習ノート』より一部抜粋のうえ、紹介します。

今年から全国すべての小学校で「がん授業」がスタート

今年(2020年)から全国すべての小学校で、来年(2021年)から全国のすべての中学校で、再来年(2022年)からは高校でも「がん授業」が正式にスタートするのをご存じでしょうか? すでに今年度の新学習指導要領に「がん教育」は明記されることが決まり、着々とその準備が進んでいます。

日本では毎年100万人以上の人に新たにがんが見つかり、30万人以上ががんで亡くなっています。がんは日本人最多の死因であり、なんらかのがんになる確率は日本人の男性が約6割、女性が約4割です。そのうち、がんで亡くなる確率は男性25%、女性12%と推測されています(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」の2013年、2016年データより)。

これは患者さん本人の数字ですが、患者さんを心配する家族や友人などを含めればがんは1億2000万人の全国民に関係する、最も身近な重大病といえるでしょう。

これまでもがんになる人はたくさんいたのになぜ今がん教育を本格的に始めるのでしょうか? 私は2つの大きな要素が関係していると思っています。

1つ目は、身近な人ががんになったとき、心身ともに最も強いダメージを受けるのは多感な時代を過ごす子どもたちだということ。実際親ががんになり、苦しむ子どもたちは少なくありません。国立がん研究センターの推計(2015年)によれば、親ががん患者である18歳未満の子どもの総数は約8万7000人に上ります。親のがんはその子どもにとっても深刻な問題なのです。

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