詐欺などで指名手配されていた中国人が、「マスクを買おうと日本に戻ってきた」ところを関西空港で逮捕されたという事件が12日に起きている。
私が知る範囲でも、東京都内のビジネスホテルには中国人旅行者がいまでも宿泊して、商店街のドラッグストアでマスクをまとめ買いしていく。それで国内のマスクが品薄になる。
中国国家衛生健康委員会が14日に発表した中国全土の感染者数は6万3851人、死者は1380人とされており、感染拡大の一途をたどっている。いわば”感染大国”である。そこからいまでも訪日客がやって来て、公共交通機関を利用し、ひょっとすると感染が確認されたタクシー運転手に感染させている可能性も否定できない。
医療スタッフが感染者に追いつかないと起きること
今回のコロナウイルスは、致死率が低い、重症化することが少ない、と伝えられている。その点は本当だろうか。
連日のように感染者が増えていくダイヤモンド・プリンセスからは、指定医療機関に感染者が運ばれていく。それも関東だけでは足りず、長野県の医療機関にも収容されることになった。
国内での発症患者は感染の有無を問わず、最初に一般の医療機関を受診する。そこで医療関係者が新型コロナウイルスに接する。おそらくは、和歌山県の外科医のケースがこれにあたるだろう。そこへ他の疾患で訪れた患者も接することになる。さらなるアウトブレイクを呼び込んでいく。
専門の医療機関となっても、施設が足りないところへ、さらに医療スタッフの不足が重なれば、患者への十分な対応ができなくなる。
SARSの場合は、病院に収容しきれずに、出入り口脇の外に置かれたストレッチャーに患者が放置されていた。そこへマスクをしただけの家族が、点滴を持ちながら心配そうに佇む。
適切な処置が遅れれば、それだけ容体が悪化する。すなわち重症化して、ひどい場合には死に至る可能性もある。
湖北省武漢市で起きていることは、施設もスタッフも感染者に追いついていかない、この医療パニックのはずだ。重症化も死者の数も多い。
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