日本の「新型肺炎」支援に中国人が感動の理由 感染拡大が深刻化、世界的には差別的行動も
日本のニュースでは、新型肺炎に関連する報道があふれている。中国国家衛生健康委員会によれば、2月11日現在、中国での感染者は4万2000人を超え、1000人以上が死亡したと発表されている。中国以外では27以上の国と地域への感染が確認された。日本は次に多い国の1つであり、集団感染が確認されたクルーズ船の感染者数135人のほかに28人だと報じられている(2月11日現在)。
中国では、地域全体の交通遮断、自宅隔離、休日延長などの措置が次々と打ち出されている。この中国の深刻な事態について、日本の報道の多くは、中国国内での感染拡大やインバウンド観光客減少、経済への悪影響を指摘している。また、実際世界各地からの「差別的言動・投稿」も多く、「悪いのは〇〇人」という反応も見られる。
しかし中国国内のメディア、とくに若者がよく使うSNSを見ると、日本を絶賛する声が非常に多いのをご存じだろうか。実は今回だけではなく、災害が発生するたびに多くの声が上がっている。今回は、なぜ災害があるときに、日本を称賛する声があがるのかを示したい。
日本から中国に続々と支援
1つ目の理由は、異国の災害に対し、「同理心(中国語で、大変な立場に立っていることを理解していること、共感)」を持ち、黙々とできる支援をしていることだ。
「自国民を迎えに来る飛行機なのに、来るときにマスク、防護服などの支援物資をいっぱい詰めて来てくれることに感激した」といった投稿が、微博(中国のTwitter)や微信(中国のLINE)にあふれていた。日本から武漢滞在の日本人をチャーター便で迎えに行くとき、武漢への支援物資も一緒に持っていったことは多くの中国人の心を打った。自国民のことだけでなく、緊急状態に入った武漢にも救いの手を差し伸べる日本人も日本企業も多く、しかも大げさに宣伝するのでもなく支援を行った。
「こういう行動こそ日本人のすばらしい素質を表している!」と感動を集めたのだ。
例えば、新型肺炎の情報が公開されて間もなく、イトーヨーカドーは四川省成都市に80万枚のマスクを寄付した。武漢市の友好都市である大分市も支援を行った。1月27日にマスク3万個、そして29日には防護服を急遽送った。
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