日本の「新型肺炎」支援に中国人が感動の理由

感染拡大が深刻化、世界的には差別的行動も

3つ目の原因は、「差別をしない人権教育がすばらしい」ということであり、今回最も高く評価されている。現在、アメリカで猛威をふるっているインフルエンザより死亡率も感染人口も低い新型肺炎がなぜ大騒ぎになったかというと、治療法がわからないという「恐怖」にあると思われる。

その反応として、人々を不安にさせ、発生地域をできるだけ遠ざけようとし、その延長線上に「〇〇人来るな」という差別言動になるのはよくある話だ。

筆者が今住んでいるアメリカでも、このようなことがよくある。アメリカで人気トークショーを持つ南アフリカ出身のTrevor Noah氏が、エボラウイルスが流行っているとき、南アフリカからアメリカに戻る飛行機で、咳を少ししただけで、乗客などに差別されていたことを話していた。

よくよく考えると、このような知らないウイルスへの恐怖を持つ心は世界共通だ。日本だと福島第一原発事故後、放射能による影響を懸念したこともその一例だろう。

中国人が日本を尊敬する理由

恐怖と不信が広まる中、2つの日本に関する投稿が注目された。

1つは、厚生労働省の職員が、記者会見の際、(デマの拡散、人種差別に対し)「人が悪いのではなく、ウイルスが悪い」と発言した動画。もう1つは、Twitterで拡散された小学校から保護者への「新型コロナウイルスに関連した人権問題の配慮について(お願い)」のプリントの写真だった。

この「お願い」の中で、「……一方で、ニュースやネットでの情報が広がるに従い、中華人民共和国や武漢市という地域、そこに関わりのある人々へのいわれなき差別発言が懸念されます。ご家庭におかれましては、お子さんとの語らいの中で、正しい人権意識が育つようご配慮願います。」と書いており、中国のネット上では、「隣国のこの教育のすばらしさに本当に感動した」と盛り上がっている。

懐疑や忌避が主流になっている中、こうした立派な価値観と明確な発言は、とても重要であり、人々もここから多くの勇気をもらう。

しかし、当然であるが、これは日本のすべてではない。上述のTwitterの元の投稿を読むと、むしろこの学校からの「お願い」に反対・揶揄する内容であり、これへのコメントもほとんどはその揶揄への賛同であった。今中国では、少し日本熱気味で、「違う意見もある」ということは意識しきれていない。

しかし、今の若者は、親世代より、国際的であり、教育環境も成長環境も先進国に近づいているため、意識も変わりつつあると感じる。このような事実をもっと冷静に見極めたうえで、今後日本の良い点を見習いたいと思う人が増えていくだろう。

今回のような事態は、極めて悲惨であり、不安・心配・怒り・悲しみ・悔しさが中国を覆っている。一中国人として、このたびの日本から中国へのご支援に対して心よりお礼を申し上げたい。

今後、中国・日本・アジアだけではなく、世界で地域間の移動も交流も相互作用もますます深化されると、どこでも緊急事態は起こりうる。緊急事態のときにおける、日本の価値観と言動のすばらしさは賞賛されていることを心にとめておきたい。

他国から自国がどのように思われているのか、他国が何を変えようとしているかなど自国と他国の理解をもっと深めていく必要があるだろう。

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