年齢とともに容姿は衰えるものだが、それはそれで、“土台”がよければいいそうだ。
婚活市場は社会貢献よりステータス?
山下さんは、一戸建ての家を購入し、自宅で無料学習塾を開くことを検討している。自らも貧困家庭で育ち、学歴コンプレックスがあるそうだ。仕事上で必要な危険物取り扱いや電気関係の資格取得の勉強は、親戚から好意で教わった。この経験から、自分も無料の学習塾を開き、社会貢献をしたいのだという。
SNSで無料学習塾の計画を話すと、95%の人はすばらしいと賛同し、残り5%は、“(そんなあなたと)結婚して苦労したくない”とネガティブな意見も返ってきた。その5%に山下さんの意識が向く。
「婚活市場では、女性は相手の年収が1000万円以上とか、子どもはできるだけいい学校に入れたいとか、自分たちの理想しか話さない人も多いですよね。人前では職業に貴賤などない、底辺職の人をばかにするなと言っても、わが子となると、将来は医者や官僚、法律家のような職につかせようとしている人が結構多いのでは。婚活の場で、社会貢献的なことをしたいと言う人は見たことがなかった」
改めて結婚願望を聞いてみると、できればしたい。しかし、“超美人”で“無料学習塾の理解を示してくれる人”の2本柱は必須とのこと。ただ、無料学習塾を受け入れてくれた時点でそこまで尖った人はいないのではないかとも語る。
今までなぜ独身だったのか尋ねると、「自ら動かなかったことと、収入が不安定で自分にも自信が持てなかったことでしょうね。昔からこう尖った性格ですし。ただ、このインタビューで話しながら思いましたが、自分で条件を出したり、壁を作っている部分もあるかもしれませんね。でも自分にとっての外れの相手(美人でない、無料学習塾の理解がない人)ならできたとは思いますが」
自分が正論だと思うことは、はっきり相手に伝えるため、相手から誤解を受けることもあるという山下さん。つねに答えは白か黒、グレーはないという。
もし、そこにユルミのスペースがあったとしたら、女性への見方はどう変化しただろうか。むしろ世の中は曖昧なことだらけ。何が正解なのかわからないし、自分の常識を追求すればするほど苦しくなることもある。もし結婚ということだけを考えるのなら、「グレーもあるよね」と、どこかそんな覚悟があればまた違った景色が見えるのかもしれないと思った。
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