日本企業で「30代年収1000万円」が至難のワケ 5年でプロになれる外資系企業とここが違う
日本企業が人件費抑制に「成功している」となれば、働き手は年収が上がりにくいということになります。2018年に国税庁が行った『民間給与実態統計調査』によると、日本の平均給与は441万円。世界3位の経済大国とは思えない金額です。アメリカのように、20代や30代で年収1000万円を稼ぐのは至難といえます。
大企業で長く働いていても、異動を繰り返した揚げ句、何の専門性もない立派なゼネラリスト人材となり、1000万円はおろか、社外では通用しない残念な人材になってしまいます。
日本企業では「役割に見合った能力」で人材の配属を決めることは少なく、単なる「ジョブローテーション」によって人を動かしています。企業は人材に「このポジションについたら、必ず〇〇の結果を出す」といったことを明確に求めません。個人でなくチームで結果を達成させる仕組みになっており、個人は専門性が身に付かないのはもちろん、1人では何の結果も出せないのです。
外資系企業ではポジション採用が行われており、新卒であっても入社時から専門分野・役割・達成すべき目標などが決まっています。そこで5年働けば、その専門分野でのプロフェッショナルになるだけでなく、自分を「ブランド」として捉えるようにもなります。5年でプロフェッショナルになっているわけですから、1000万円の給与を目指すことに現実味が出てきますし、すでに達成していることもあります。
外資系で稼ぐ社員は「セルフプロデュース」を徹底
筆者が外資系金融機関に勤務していたとき、日本企業とのミーティングに自分1人で出席していました。ところが日本企業からは、ゾロゾロと複数名が来るのです。大人数でやって来て「会社の層の厚さ」を見せつける。
しかし、会議には権限と責任を持っている人が出席すればいいのです。日本企業を代表して誰か1人、こちらと話し合ってくれるほうが断然効率がいい。それぞれ個人のスキルを伸ばすことにもつながりますし、当然、商談がうまくいったあかつきには自らの給与に反映されることにもなります。
外資系企業で年収1000万円超えの社員は、キャリアのセルフプロデュースをつねに行っている人ばかりです。「法人営業に特化していることを自らの強みにしていく」「若輩者に見られると損するから、服装は地味にしている」「売り上げにつながらないと見極めたら、その顧客は切る。限られた時間で売り上げを上げる」といったことを日々、実践しています。
徹底したセルフプロデュースが可能なのも、仕事で求められることが明確なうえに、自分がそれをどう達成するかに対して裁量も与えられているからです。「メールには必ず上司をCCに入れていて、上司も逐一確認している」というような仕事のやり方は、1000万円超えの外資系社員には無縁。仕事に関わる人が多くなるほど、人件費などムダなコストが増えると考えるのです。
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