新型肺炎で出社の「拒否・時間変更」はできるか 全社的に在宅勤務にした企業も出てきている

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医師によって、新型コロナウイルスへの感染により、労務不能という診断を受ければ、傷病手当金の支給対象となります。中国からのツアー客を乗せた武漢への渡航歴がないバス運転手の男性およびバスガイドの女性が新型コロナウイルスに感染したケースのように、業務上の事由で感染した可能性が濃厚な場合は、労災の対象となり、労災保険からの療養や休業に関する補償が受けられる可能性もあります。

熱や咳の症状があるものの、新型コロナウイルスに感染していることが確定していない時点で会社から出勤停止を命じられた場合や、家族が新型コロナウイルスに感染したため念のため自宅待機を求められたというような場合は、会社の予防的措置による自宅待機と言えますので、会社からの休業手当の対象となります。

会社には安全配慮義務がある

■会社は社員の安全をどこまで守る必要があるのか?

自分の勤務先の会社が、新型コロナウイルスの感染リスクなどに対して真剣に考えてくれない場合は、どうしたらいいのでしょうか?

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この点に関して、会社には、労働契約に付随する義務および、労働安全衛生法に基づく義務として、社員が安全に働くことができるようにする安全配慮義務があります。

安全配慮義務は抽象的な義務なので一概には言えませんが、接客業でマスク着用を禁止するとか、手洗いやうがいができる環境を整えないといったような、基礎的な感染防止策を取らないことは、安全配慮義務に違反している可能性があると言えます。

社員から会社に訴えても聞き入れてもらえないような場合は、労働基準監督署に相談をして、指導をしてもらうことも検討しましょう。

新型コロナウイルスの影響拡大に対し、勤務先の会社の対応や指示を待つだけでは不十分です。働く私たち一人ひとりも、知識を身に付けたり、能動的に考えたりして、自分の置かれている職場環境の中でできる限り身を守る方法を取って、自衛をしていくことが重要なのではないでしょうか。

榊 裕葵 社会保険労務士、CFP

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さかき ゆうき / Yuki Sakaki

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。会社員時代の経験も生かしながら、経営分析に強い社労士として顧問先の支援や執筆活動に従事している。

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