日産「セレナ」発売から3年でも売れ続ける理由 リーフで培った電動化技術が独自の魅力に

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そうしたなかで、「ハイウェイスター」という走行性を重視した車種や、「キタキツネ」の愛称でアウトドアを印象付ける車種などによる販売戦略が採られたが、2代目の途中から家族で出かける喜びを訴求する特徴づけを強化。“男のミニバン”から、温かな家族像を印象付けるミニバンとしてのPRを行い、独自の地位を築いた。

そもそも、ミニバンといえば家族のためのクルマだが、改めてそこに絆の深さと安心を再認識させたのだ。

その戦略が2007年以降、ミニバンとして3年連続で1位という販売を記録することにつながる。4代目ではさらに、軽い力でも3列シートを折りたためるようにするなど、女性視点での商品価値の充実にいっそう磨きをかけた。

e‐POWERとプロパイロットの価値

現行の5代目では、家族の絆という中核の価値や、女性でも扱いやすいといった利便性はそのままに、技術の日産らしい競合と差別化を図る技術で、5ナンバーミニバンとしての魅力を向上させた。それが昨年の販売実績に表れていると言える。

1つは、日産が「e‐POWER」と名付けるハイブリッド車(HV)の投入だ。

「ノート」はe-POWERの登場により3年連続コンパクトカーNo.1となった(写真:日産自動車)

ノートから導入されたe‐POWERの特徴は、電気自動車(EV)「リーフ」の電動技術を応用したモーター駆動によるシリーズ式ハイブリッドである点だ。それによって、ブレーキペダルを操作せず、アクセルペダルのみでの加減速や停止が可能となった。日産はこれをe-POWER Driveと呼ぶ。

【2020年3月9日16時30分追記】初出時、e-POWER Driveに関わる記述に誤りがあったため、上記のように修正しました。

若干の慣れが必要だとはいえ、使い慣れれば日常的に安心感の強い運転操作となる。万一の危険に遭遇したら、アクセルペダルを素早く戻すだけで強い回生が働き、すぐに減速できるのだ。

もちろん、最終的にはブレーキでの減速・停止が危険回避には不可欠だが、アクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえるまでの空走時間をなくし、事故を未然に防げる可能性を高めている。

また、ワンペダルを日常的に利用するためのアクセル操作は、丁寧な足の動きを求めるため、燃費を向上させることもできる。そして、ブレーキパッドの摩耗を抑え、保守管理費の節約にもつながる。EVを含め、モーター走行のよさを発揮できるのが、日産方式のハイブリッドであり、ワンペダルでの運転なのだ。

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