日産「セレナ」発売から3年でも売れ続ける理由 リーフで培った電動化技術が独自の魅力に

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セレナは、商用バンとして生まれた「バネット」の乗用版である「バネットコーチ」の後継として、1991年に「バネットセレナ」の名で誕生した。さらにさかのぼると、1969年の「サニーキャブ」にまで歴史をたどることになる。

「セレナ」の祖となる「バネットコーチ」(1980年)(写真:日産自動車)

そもそもが、商用のワンボックスカーとして製造されてきた経緯があり、バネットも運転席/助手席の下にエンジンを搭載する、キャブオーバーと呼ばれる車体形式を持っていた。

エンジンの上に乗員が位置することで、そこから後ろはすべて荷室として広々と利用できるので、キャブオーバーは商用車として重宝された車体形式である。ちなみにトラックも、エンジンの上に人が乗っている。

こうした経緯は、トヨタのヴォクシー/ノアも同様で、ノアの前身となるのは1976年に初代が登場した「タウンエース」という名の商用ワンボックスカーだ。これに乗用のワゴンも追加されている。車体形式は、当然というべきキャブオーバーだった。

前輪駆動化でワンボックスからミニバンへ

その昔、乗用車といえば、4ドアセダンか2ボックスの小型ハッチバック車を指し、ステーションワゴンでさえ基本的には商用バンをベースにしたものだった。今日、当たり前のように存在するミニバンも、先祖をたどれば商用のワンボックスカーに至るのである。

1991年に登場した「バネットセレナ」もキャブオーバーだった(写真:日産自動車)

5ナンバーミニバンという価値を導入したのはホンダで、1996年に前輪駆動の乗用車プラットフォームを使ったステップワゴンを登場させ、市場を席捲した。これに触発されて、ノアもセレナも前輪駆動を採り入れてミニバン化され、現在に至る。

セレナは、1999年の2代目でキャブオーバーのワンボックス車から前輪駆動のミニバンとなった。以後、ステップワゴンやノアとともに、三つ巴の展開をするのである。

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