「兄と弟」で英語の勉強法を変えるべき深い理由 効率的に勉強させたい親が知るべき事実

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もちろん、幼児期の教育は耳からの学習が基本ですが、男子の場合には視覚刺激を合わせて積極的に取り入れることで、理解を促すことができます。また、女子は言語自体に敏感なので、早い段階から文字の刺激を入れてあげると、スムーズに読む段階に進めることができます。

長男長女(長子)に合う学習法は?

また、兄弟姉妹のどの位置にいるかによっても、適切な学習方法は変わります。

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからしっかりしなさい」──長男長女(長子)は母親からこんなことを言われます。

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彼らからすれば、好きこのんでお兄ちゃんやお姉ちゃんになったわけではないので、そう言われても、迷惑千万です。しかし、下に赤ちゃんができたのですから、仕方がありません。我慢することを覚えます。

我慢というのは自然と湧いてきた衝動をぐっと抑え込むことです。これを繰り返すことで、「これはしてはいけない」と学習します。日々それを体験していると、幼児期特有の無邪気さが消えていきます。直感的に行動すると怒られるので、論理的に物事を考えるようになるのです。

このような子たちは精神的な成長が早いので、音声という実体の見えない耳からの入力よりも、しっかり目に見えるもの、とくに文字を合わせた学習を好む傾向にあります。音声を無邪気にまねたりするよりも、プリント学習などを好みます。

反対に末っ子はいつまでも赤ちゃん扱いされるので、自らを抑制する必要に迫られることが少なく、のびのびと育つ確率が高いのです。

以上を総合すれば、長男長女(長子)、とくに上の女の子たちは暗唱など音声の学習が苦手で、逆に文字を取り入れた学習やプリントなどが効果的です。

一方の末っ子、とくに男子は音声を丸暗記させる暗唱が得意な一方、プリント学習などがなかなか進まない傾向にあります。

このような、それぞれの特性を考慮したうえで、子どものタイプに合った学習法を考えてあげたいものです。

船津 洋 児童英語研究所代表取締役所長

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ふなつ ひろし / Hiroshi Funatsu

1965年生まれ。東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業(言語学専攻)。高校時代に米国に留学し4カ月で英語をマスター。カンザス州の大学などでも学ぶ。帰国後、右脳教育の第一人者・七田眞氏に師事し、同氏が設立した児童英語研究所に入社。以来30年以上にわたり、幼児教室や通信教育などの教務を通じて子どもの英語教育と発達研究に携わる。1999年には同社の代表取締役所長に就任。累計で10万組以上の親子に対して、バイリンガルに育てるための指導を行っている。最新刊は『10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)。

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