病気ではない、特性をもっているだけだ--『アスペルガー症候群』を書いた岡田尊司氏(精神科医)に聞く


--横並び意識の強い日本では難しいのでは。

日本の産業界には、ヘンに隣組的な、横並び的な仕組みや風土がある。そして、出る杭は打たれる式の、同じような扱いをみんなが求めるところがある。そこではこういうタイプの人たちはことさら不利益をこうむる。その人の特性に応じた処遇をしないと、こういう人たちは伸びないし、力を発揮できない。

たとえば、いままでのように、しばしば転勤をさせたり配置転換をして、それが職場を活性化させると単純に考えていいかどうか。

こういうことをいままでとおりごく普通にやっていると、このタイプの人にとってはだいたいマイナスに働きやすい。職場環境に対する執着が強い人が多いので、環境が変わるとそれに慣れるだけで、相当に時間がかかってしまう。新たな環境がいやでたまらないということも起こりがちだ。

本人はいまの場所で仕事を極めたい。それなのに、動かしたほうが生産性が上がるのでないか、活性化するのではないかと異動させる。それだけで、簡単に意欲を失う。そういう繊細な神経をそのタイプの人は持っている。

現実的には、いまや企業は一握りの人たちによってブレークスルーが成し遂げられ、発展していくケースが多くなっているのではないか。技術開発ばかりでなく、経営者になる人も、そういう特別な能力を持っている人を必要としているようでもある。そういった能力を生かす風土を常日頃つくっていく。ノーベル賞をとる人はこういうタイプばかりではないか。

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