病気ではない、特性をもっているだけだ--『アスペルガー症候群』を書いた岡田尊司氏(精神科医)に聞く

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病気ではない、特性をもっているだけだ--『アスペルガー症候群』を書いた岡田尊司氏(精神科医)に聞く

こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群。広汎性発達障害の一つだが、「問題児」にして「現代の寵児」でもあるという。働き盛りの大人にもしばしば「困った人」として見られるその特性を、個人として社会としてどう生かしたらいいのか。

--おおづかみにアスペルガー症候群とは。

一言で表せば、周りの人とずれやすい。それも二つの特徴があって、一つは対人関係に不器用であり、もう一つはとかくこだわりが強い。

そのうち、対人関係が不器用といってもいろいろあって、消極的なタイプばかりではない。ものすごく積極的だがピントがずれてしまう。また、自分の言いたいことだけ言って、相手が反応しても一方通行でそれにはあまり応えなかったりする。

こだわりの強さは、周りが見えないことにつながる。視野が狭くなり、一方で関心のあることについては深い知識において優れる。

特徴は自分の世界にはまりやすいことで共通し、周囲と共鳴し合う、あるいは共感し合うというのが苦手だ。根底にそういう特性がある。

--なぜなるのですか。

遺伝的に不利な素因がそろいすぎると発症しやすいという、遺伝的な傾向はあるが、このほか原因にはいろいろな議論がある。

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