病気ではない、特性をもっているだけだ--『アスペルガー症候群』を書いた岡田尊司氏(精神科医)に聞く

拡大
縮小
病気ではない、特性をもっているだけだ--『アスペルガー症候群』を書いた岡田尊司氏(精神科医)に聞く

こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群。広汎性発達障害の一つだが、「問題児」にして「現代の寵児」でもあるという。働き盛りの大人にもしばしば「困った人」として見られるその特性を、個人として社会としてどう生かしたらいいのか。

--おおづかみにアスペルガー症候群とは。

一言で表せば、周りの人とずれやすい。それも二つの特徴があって、一つは対人関係に不器用であり、もう一つはとかくこだわりが強い。

そのうち、対人関係が不器用といってもいろいろあって、消極的なタイプばかりではない。ものすごく積極的だがピントがずれてしまう。また、自分の言いたいことだけ言って、相手が反応しても一方通行でそれにはあまり応えなかったりする。

こだわりの強さは、周りが見えないことにつながる。視野が狭くなり、一方で関心のあることについては深い知識において優れる。

特徴は自分の世界にはまりやすいことで共通し、周囲と共鳴し合う、あるいは共感し合うというのが苦手だ。根底にそういう特性がある。

--なぜなるのですか。

遺伝的に不利な素因がそろいすぎると発症しやすいという、遺伝的な傾向はあるが、このほか原因にはいろいろな議論がある。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT