石油ピークで食糧危機が訪れる 石井吉徳著

石油ピークで食糧危機が訪れる 石井吉徳著

世界が直面する最大の問題は石油枯渇である。過去にも油田は次々に発見されてきたし代替エネルギーでもカバーできるという世間の常識は間違いで、エネルギーの評価は質を抜きにしては論じられない。これが著者の永年の主張である。

確かにEPRという指標でみれば新油田も代替エネも質が悪い。その点からもオイルピークが重要なのだが、さらに進んで早晩、食糧危機が不可避であることに本書は警鐘を鳴らしている。実際、世界の食糧供給は石油なしには成り立たないにもかかわらず、貴重な石油の浪費が続いている。

地球は有限であり、石油をはじめとする資源を大切に使う「もったいない」の精神、リサイクルよりリデュースこそが基本だという。成長至上主義が転機に来ていると考えれば、指摘の多くはもっともであり、時代は今、発想の転換を迫られているといえる。平易に書かれており、多くの2色刷り図表・イラストも理解を助けてくれるだろう。(純)

日刊工業新聞社 1680円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 溺愛されるのにはワケがある
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大学 シン・序列<br>コロナ後に変わる名門校の条件

コロナショックを受けて、大学をめぐる環境は急変。授業のオンライン化、学生の経済的困窮など、解決するべき課題は山積しています。大学はどのように変わるのか。50ページにわたる特集で最高学府の近未来を探りました。