「環境格付け」で高評価の日本企業が増えたわけ 政府の支援が後押し、株価上昇の好循環も
Aリスト入りした企業は、株価の面でもアウトパフォームの傾向が読み取れる。株価指数の算出・管理を行うヨーロッパの金融サービス企業STOXXは、CDPのAリスト企業だけで構成される指数を設定している。
同指数は、グローバル企業1800社を対象とした指数よりも年率で平均5.5%アウトパフォームしている(2011年末から2019年頭までの実績)。とくに、機関投資家によるESG投資が本格化してきた2016年あたりからその傾向は顕著になっている。
さまざまな業種の企業がAリスト入り
今回Aリスト入りした38社は、トヨタ自動車や積水ハウス、パナソニック、アサヒグループホールディングス、東京製鉄、丸井グループ、小野薬品工業など、さまざまな業種の企業で占められている。
5年連続のAリスト入りとなったソニーの神戸司郎・執行役常務によれば、「2050年をメドに環境負荷をゼロにする長期ビジョンを2010年に策定し、温室効果ガス削減の努力を続けてきた。そのことに加え、全社レベルで再エネ導入を進めてきたことなどが評価されたのではないか」という。
ソニーでは製品設計の不断の見直しにより、全製品の消費電力を2018年度時点で2013年度比51%削減。2040年までに自社で使用する電力の100%を再エネで賄う方針を明らかにしている。
4年連続でAリスト入りした川崎汽船は「風力エネルギーの活用により船の運航における燃料消費を20%削減すべく取り組みを進めている」(浅野敦男専務執行役員)と語っている。
アスクルは、自社グループで使用する電力のすべてを再エネ電力で賄う取り組みの「RE100」に加盟し、2030年までに達成すると宣言している。
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