京都の「赤字」鉄道路線に残っていた再生の糸口 高速バス最大手が未経験分野に乗り出したワケ
真山:つまりインフラ基盤を購入せずに、家賃を払っているような感覚ですか?
寒竹:はい。使用料を払っています。
真山:売り上げに対してどれぐらいの割合を?
寒竹:詳しくは言えませんが10%台です。
真山:それで十分な利益が望めるのでしょうか?
1人当たり単価は上がっている
寒竹:沿線の周辺人口が減少して、鉄道の普段使いが減っています。かなり厳しい状況でして利益が出るところまではいってないのですが、どんどん改善しています。遠くからお越しいただく人に向けた観光列車などの戦略を練っている中で、お客さまの1人当たりの単価は確実に上がっています。
真山:通常、運輸会社は地元の利用者をどう増やすかを考えますが、そもそも地元の人口が少ないから難しい面があると思います。
寒竹:鉄道は決められた線路と駅の間のみを移動する手段です。ここにマーケティングに立脚した施策を打つことによって、それがどのように成功するかが全部見えてきます。基盤は同じですから、成功や失敗の分析もわかりやすく出てきます。鉄道は、実はマーケティングしやすいのです。
例えばお客さまに、どこから来ているのかを毎日聞くことで、月別、年別にトレンドが見えてきます。そうすると世界情勢が全部リンクしていたりするのです。この世界情勢を読むことにより、その国にアプローチをすると、今度はその人たちがやってくるというようなことが徐々に成果として出てきています。
1つの大きな成功事例を作り、それが確信できたときに次の都市に行けると思っているので、いかにその面をつめていくか。そのためのデータを今とっているのです。