近く消滅、「2階建て新幹線」は再登場するか?

海外ではフランスのTGVで圧倒的主力だが…

東北新幹線で使われていたころの2階建て新幹線E4系。8両編成となり、使い勝手がよくなった。E3系“つばさ”を併結して鉄道博物館の横を走る(2011年3月5日、筆者撮影)

この春のダイヤ改正から、上越新幹線にE7系電車が走り始める。E2系電車を置き換えることになるが、もうひとつ気になるのは、1997年に第2世代の"新幹線通勤"用車両として登場したE4系2階建て電車の動向である。東北新幹線からはすでに姿を消し、全26編成中の約半分が引退しているが、上越新幹線では今もなお"MAXとき"と"MAXたにがわ"として、毎日元気よく、新潟と東京の間を往復している。

新幹線の列車用として開発された2階建て車両は、1985年に国鉄の東海道・山陽新幹線用として開発された100系電車だ。16両編成のうちのグリーン車1両と食堂車が2階建てとして登場した。

【2019年2月1日9時20分 追記】記事初出時、100系2階建て車両の記述に誤りがありましたので、上記のように修正しました。

その後1994年には、当時増え続けていた東北新幹線での新幹線通勤に対応するために、1編成全部を2階建てとしたE1系電車が開発された。1編成の長さは12両で、当時の主力だった200系電車の標準的な編成と同じで、定員は200系の895人に対して1235人と3割以上も増加した。このE1系は1995年までに6編成が製造されている。

100系とE1、E4系は発想が違う

100系電車の2階建て食堂車168形(量産先行車)外観。窓は上に向かって大きく幅も広く、見晴らしのよい構造だった。画面奥のグリーン車とは外観が大きく異なっていた(1985年8月19日、筆者撮影)

1997年にはE1系の経験を生かしたE4系が開発された。こちらは8両編成で、同じE4系や、山形新幹線の400形と併結しての運転も可能な構造となった。一般的な特徴としては、先頭部の造形が、より空気抵抗が小さくトンネルに入る時の大きな気圧変化による衝撃音(微気圧波)が発生しづらい形状に変更されたことと、カラーリングが目立つ点である。こちらは2003年までに26編成が造られている。

同じ2階建て電車といっても、100系とE1、E4系とでは発想が大きく違う。100系では定員増よりも、車窓眺望のよい食堂車や個室などの新しいサービスを提供するのが目的だった。のちにJR西日本が"グランドひかり"として4両を2階建てとした編成を導入したのは、その極みである。

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