「従来の形」にとらわれない結婚式が広がる理由 変わらない想いと多様なスタイルで実現する

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しきたりにとらわれず、呼びたい人たちを呼ぶウエディングパーティーは、その内容も自分たちにとって意味あるものに変わっている。

例えば、高砂をなくす、親が末席ではない所に配置をする、さらには自分たちで誓いの言葉を考える、式場ではなくバーベキュー場や公園など思い出の場所で実施する、お日柄を気にしない、平日の夜に実施する、あえて従来どおりのスタイルで実施するなど、1組1組がやりたいようなスタイルで実施する動きが広がってきた。

世の中の価値観でも一般的な正解よりも個人の納得が重視されつつあるが、まさにウエディングパーティーの選択においても同様の動きである。

このように、カップル側の志向の変化に伴い、そのスタイルが多様になった背景には、ブライダル業界の工夫や柔軟な対応も大きい。そして、これは今後もより強く求められ、ブライダル産業の発展のカギとなっていく。とくにカップルと直接的な接点をもつウエディングプランナーは、「何をやりたいか」から「なぜやるのか」を問うように、より深く真のニーズの探求が求められていくだろう。

変わらない想いと多様になるスタイル

スタイルは多様になる一方で、冒頭お伝えしたように「承認」「祝福」「誓い」「感謝」など人生の節目において、自分たちの関係の深い人との関わりを求める意識というのは依然として高い。ここ1年間に入籍した人たちにおいて9割以上が、結婚を機に何かしらの関わりを持ちたいと思っている(結婚総合意識調査2019)。

おそらく、この数値は時代が移ろい、人々の暮らしや消費行動が変わったとしても、根底にあるニーズとして存在するだろう。人が誰かと一生を共にすると覚悟を決め、家族となることを決めるとき、大切な人と関わりたいという想いは不変だ。しかし、一方でその手段となるスタイルや形式は時代や世代とともに変化し、それを柔軟に受け入れ、フィットしたものを提供しなければ選択されなくなることも事実である。

まさに、今、結婚式はカップルの不変の想いをベースにしながらも、多様な変化を見せる。とくに、生き方そのものが個人の納得の中で選択されることが多くなり、人生における正解がなくなりつつある今、その価値基準が浸透すればするほど、人生の確認ポイントはなくなることにもなる。

だからこそ、結婚式が「人生を振り返り、確認する場」という新たな価値を付帯しつつ、そのスタイルは幅を広げ、自由に選択でき、個々に最適なカタチで実現できる環境になってきている。そして今後、ますますそれは広がっていくだろう。

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