統合に向け大詰めの日本興亜、波乱含みの12月総会

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統合に向け大詰めの日本興亜、波乱含みの12月総会

来年4月に経営統合を予定する日本興亜損害保険と損保ジャパン。10月30日、両社は株式移転計画について発表した。2014年度に、500億円のコスト削減効果を見込む事業計画も明らかにした。

だが関係者らが注目したのは、むしろ新会社の人事だった。「筆頭株主から社外取締役を受け入れるかどうか、検討されていた」(関係者)。

新会社の実質筆頭株主となる米投資ファンドのサウスイースタン・アセット・マネジメント(サウス社)は、複数の社外取締役候補を挙げていた。しかし「結局、強く望んだ人事にならなかったようだ」(同)。この結果、12月22日に予定する日本興亜の臨時株主総会は波乱含みとなりそうだ。サウス社は、経営統合に対して賛否を表明していない。

前社長と大バトル

経営統合は、株主の3分の2以上の賛同を得なければ承認されない。日本興亜にとって、約17%の株式を保有するサウス社の動きは大きなカギを握る。だが昨年来、サウス社は兵頭誠社長の再任に反対してきた。6月の株主総会では、そのサウス社と親密といわれる松澤建前社長が経営統合に異を唱え、兵頭社長と大バトルを繰り広げた。

このとき、サウス社や松澤氏らOB株主の議決権数を合わせると約30%に上った。12月の臨時総会でも「地方銀行や化学メーカーなど一部株主は、松澤氏と親しいとされる。これらが反対もしくは棄権に回れば、3分の2の賛同が得られない可能性は十分にある」(同社OB)。

かねて兵頭社長は「筆頭株主にはいずれ説明に行く必要がある」と語っていた。損保ジャパンの佐藤正敏社長も「この経営統合は株主にとってベストの選択。万が一、白紙となれば損失は大きい」と株主の賛成が得られると自信を見せていた。

しかし、統合反対派も黙って見てはいない。金融庁は10月23日、日本興亜に対して保険金支払いの遅延で業務改善命令を出した。同日、OB株主ら6名は「兵頭社長ら4名の取締役解任」を臨時株主総会に向け株主提案した。

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