最強のインフルエンサーから共感を得る方法 企業価値を上げる映像コンテンツ3つのポイント(中)

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ここで、本ショート・フィルムのグローバル・ローンチにおける、さらなるメディア露出データを統計として見てみよう。(2013年5月20日時点)

■世界中の121の印刷媒体(署名入り記事も含む)でピックアップ。

■世界中の484のメジャーTV局ニュース番組でピックアップ。

■世界中の何千ものオンライン記事、そしてそれらの記事に付いた何千ものコメントや「いいね!」、さらには記録的なシェア回数を達成。

以上のとおり、『Dove Real Beauty Sketches』は、社会のインサイトを俯瞰から見つめ、消費者を取り巻く環境における社会的緊張/課題へチャレンジし、そこにブランドの存在意義を描き合わせたことにより、トラディショナルメディアからの共感を得ることができた。トラディショナルメディアでの紹介がさらなる話題、拡散を生み、そのことがまた社会現象となり、別のコンテンツに進化する。

SIMPLY MEASURED によると、2012年の時点で、2年前に比べると20倍ものブランドコンテンツがニュースフィードにアップされているという。「いいものを作れば売れる」的な考えで、いいコンテンツは自然に拡散する、という時代も終わりつつある。トラディショナルメディアをソーシャルメディア上の強力なインフルエンサーとして位置づけて、広報活動の強化が必要となってきているのではないか。

誤解のないように付け加えておきたいが、社会的緊張/課題へチャレンジし、そこにブランドの存在意義を描き合わせるというのは、消費者のインサイトを調査して出てきた潜在的ニーズと、ブランドとを単純につなぎ合わせればいいというような簡単なものではない。ブランドが存在する意義、背景をとらえ、ブランドが取り組むべき社会課題と、ブランドがその中で貢献できる役割を明確にすることが重要だ。

最強のブランデッドコンテンツは社員

次にご紹介したいのは、シャングリ・ラ・ホテルの映像コンテンツ。シャングリ・ラは映像コンテンツを社員教育の一環として利用し、サービスクオリティの向上と同時に売り上げを上げることにも成功している。直近のケースではないが、映像コンテンツの持つ威力を再認識してもらえるのではないかと思うので紹介したい。

シャングリ・ラ・ホテルは、香港に本拠地を置くラグジュアリーホテルグループのひとつ。1971年にシンガポールに最初のホテルを開き、アジアを中心に世界各国にホテルを展開している。

サービスクオリティが顧客満足の基盤であり、生産と消費が同時に行われるホスピタリティ産業においては、スタッフのブランドプロミスの理解と実践がクリティカルな要素となる。ブランドは個々のスタッフの中に生きていなければならない。しかしながら、新規ホテルを次々とオープンさせて70を数えるホテルグループへと成長を遂げる中、ブランドプロミスと現場でのサービスクオリティに大きな乖離がみられようになり、口コミサイトなどを通じてその評価を落としていた。今後、数年間にアメリカ、中東、ヨーロッパへの進出を図るシャングリ・ラにとっては、サービスクオリティの統一および底上げが急務となっていた。

シャングリ・ラ・ホテルはこの状況を打開すべく、新規キャンペーン“It’s in our nature(わたしたちの本質です)”を展開した。

見知らぬ人も、家族のように。

それが至高のおもてなし。

わたしたちの本質です。

http://ournature.shangri-la.com/jp/#/tvc/

http://ournature.shangri-la.com/jp/#/makingof/(メイキング映像)

この業界においては、施設の豪華さを伝え、ゲストを王様として接することがスタンダードとされていた。が、シャングリ・ラは、ゲストを家族として接するという新しい考え方を打ち出した。新しい考え方ゆえに、スタッフの混乱も予想される。スタッフに正しく理解してもらうことは最重要課題だった。

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