マイナス面が際立つ専門職大学院の現実、問題は需給ギャップ?教員不足?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

都内にある東京理科大学大学院では、あくまで社会人が専門性を高めるための場である教育機関としての特色を堅持すべく努めている。「本学のMOT専攻は、かつて受験者の5割が新卒--学部卒業後、社会人経験なし--だったが、彼らを意識的に合格させないようにしていたところ、受験生にもそれが伝わったようで、今では新卒は受けなくなった」(10月5日中教審WGにて同大学院総合科学技術経営研究科長・伊丹敬之教授)。

給与や役職面でメリットがない

だが、専門職大学院が誕生し、急増していく初期の頃に作られた否定的な印象が、そのまま現在も志願者の伸び悩みにつながっている点は否めない。

表の「新司法試験合格率ベスト20」の上位に名を連ねる法科大学院への進学を検討し、結局は従来の法学研究科で修士号を得た26歳女性はこう話す。

「第一志望の法科大学院に不合格とゼミの教授に報告したら『受験すると知っていたら志望校の教授に電話一本入れておいたのに』と言われた。コネがまかり通る現実を知り法科大学院への信頼をなくした」。

司法試験対策に通っていた予備校でも「100人超の定員を埋めるような法科大学院は、募集学生の学力を無視してかき集めている」と、個別の悪評が口コミで盛んに飛び交っていたと振り返る。

さらに「修士(専門職)」の学位を得ても、給与や役職など待遇面で企業から必ずしも高い評価を得られない現実も、学生募集の厚い壁だ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事