離婚女性も救うグラミン銀行の貧困層ビジネス キャリアや担保がなくても融資をしてくれる
グラミン日本では無担保・定額融資での支援のほか、「金融リテラシー・起業ノウハウ取得に向けた教育プログラム」も提供しています。お金を借りながら、コーチングが受けられるプログラムです。利息は一般の銀行よりやや高めですが、「経営コンサルティング受講料込み」と考えると、大幅にコストダウンするといえます。
バングラデシュでユヌス博士がグラミン銀行を立ち上げた際もそうでした。貧困と夫の借金で泣いている女性に、融資を行うと同時に、畑の作り方から、収穫物の流通の仕方までを教え、起業家として成長させたのです。その様子を傍らで見ていた夫も、作業に参加。働き手の1人として妻を助けるようになったばかりか、成功する妻を尊敬し、深い愛へと変化しました。妻の成功で夫が覚醒したのです。
借り手へのアフターフォローこそ銀行本来の役割
離婚女性が起業し、自立の道を模索する場合に限らず、起業直前者は誰でも不安を抱えていると思います。中小企業庁によると起業直前者が直面する課題の1位は経営知識の取得、 2位が事業に必要な専門知識・技術の取得、 3位は資金調達です。資金そのものよりも、多くの起業直前者が「リテラシー」を必要としていることがわかります。グラミン日本では、そうしたリテラシーの提供にも力を入れています。
例えば、「5人組」の互助制度を導入しています。似た環境や同じ目線・目標を持つ5人グループを組成し、ミーティングで悩み相談なども実施して、仲間づくりを促進しています。金融リテラシーや起業ノウハウの取得に向けた教育プログラムも提供しており、こちらもミーティングにおいてローン使途・返済期間などの妥当性を確認したり、グループ討議を実施したりしています。
グラミン日本はユヌス博士の意思を継ぎ、融資者に対して徹底したアフターフォローをする姿勢です。ミーティングと5人組制度では貸し手側からの指摘だけでなく、仲間からも指摘を受けます。経営に当たって視野が狭くなり独走的になると、必ず「しくじる」羽目になります。そうならないようにブレーキをかけてくれる仲間が必要なのです。
グラミン日本は「貸しっぱなし」でなく、債務者を育ててくれます。これが金融機関本来の姿ではないでしょうか。グラミン日本をきっかけに個性豊かな起業家が増えることに期待を寄せたいと思います。
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