離婚女性も救うグラミン銀行の貧困層ビジネス キャリアや担保がなくても融資をしてくれる
世界で唯一、ノーベル平和賞を受賞した企業があります。2006年、バングラデシュのムハマド・ユヌス博士と共に受賞した「グラミン銀行」です。
ユヌス博士は、チッタゴン大学の教授時代、農村の貧困者に対してグラミン銀行のサービスを開始。バングラデシュで飢饉(ききん)があった1972年、42の家族に27ドルという少額融資をしました。それからグラミン銀行は徐々に融資を拡大し、貧しい人たちを救っていきました。グラミン銀行とは、貧困家庭や生活困窮者に低利・無担保で少額融資を行い、起業や資格取得といった自立支援をする銀行なのです。
1983年にはバングラデシュの法令によりグラミン銀行は独立銀行に。その後、貧困者に対する小口金融(マイクロファイナンス=MFls)は、欧米の先進国をはじめ世界各国に拡大し、2018年9月には日本でも立ち上がりました。
貧困ライン以下の生活を余儀なくされる離婚女性
欧米へ旅行をしたり、日本に来る外国人観光客を見たりしていると、日本は本当に先進国なのかと考えさせられることが多々あります。実際、日本と欧米各国の個人金融資産の伸び率はこの20年間で大きな差がつきました。日本は人々の格差も拡大しており、肌身でそれを感じます。厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2012年)によると国民の6人に1人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされています。
貧困の原因はさまざまです。失業、病気、事故、配偶者との死別や離婚……。とくに女性の場合は、離婚すると経済的なダメージが大きく、離婚したくてもできない人が多いのが現実です。私のもとに相談に来る女性の多くは「離婚後、生活をしていけるでしょうか」「どれくらいのお金があれば大丈夫でしょうか」などと具体的に尋ねます。「離婚貧乏」に陥るのが怖いのです。
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