4万円で体験も「世界のビジネスジェット」事情 オーナー以外も搭乗できる機会がある欧米

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同様のサービスはヨーロッパにもある。例えば、グローブエアーというオーストリアのサイトが、欧州内の出発間際のフライトについて、最低590ユーロ(約7万1600円)という低価格で販売している。

ただし、いずれにしても、いつどの区間がでるのかは運次第なので、日本在住の短期旅行者の場合、利用は難しそうだ。

ところが、確実にスケジュールを読んでプライベートジェットが体験できる方法がある。

ドイツのハーンエアー(1994年創立)が、6名乗りのセスナ・サイテーションCJ4を毎週月・金曜にデュッセルドルフ―ルクセンブルグ間を飛ばしている。金額は1名あたり250ポンド、4万円弱で乗れる。

スカイスキャナーなどで簡単に予約可能

通常の航空会社の航空券同様にスカイスキャナーやエクスペディアのサイトなどで簡単に予約・発券することができる(5~9月にはデュッセルドルフとマヨルカ島にも週1便就航)。発売は3カ月先までだが、ほぼ毎日空席はあるようだ。もちろん「相乗り」になる可能性はあるが、機体そのものはプライベートジェットと変わらない。また、搭乗前にはビジネスクラスのラウンジも利用できる。

ハーンエアーのビジネスの中心は、世界中の航空会社の発券サービスとなっている。同社が自前の航空機を運航することで、世界中のエアラインとコードシェアを結び、GDS(世界を包括する旅行関連の予約・発券システム)との契約がない航空会社でもハーンエアーの便名で航空券を流通させることができるメリットがあげられる。そのためにこの区間のフライトでたとえ利益があげられなくても存在理由があるといえる。

中国山西省の大同―太原間を結ぶ路線では、片道1000円以下でプライベートジェットを彷彿とさせるフライトが体験できる。(画像:qq.comの「60元乘坐私人飞机」より)

なお、中国の地方路線では、個人所有で用いられる機材を定期運航路線に投入している事例があるようだ。例えば2019年夏に中国のネット上で話題になったのがこの投稿

山西省の大同と太原を運航する華夏航空のビーチクラフト キングエアー350に片道わずか60元(約944円)で乗った搭乗記だった。2020年1月現在も出発の1週間以内であれば最大3席まで購入可能だった。

ちなみにプライベートジェットのことを中国語では「私人飞机」とよぶ。プロペラ機なので正確にはプライベート「ジェット」ではないが、その「気分」は味わえそうだ。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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